2019-02-03

イトヒキフデノホゴケ


 写真はイトヒキフデノホゴケ Isocladiella surcularis でしょう。 枝先付近からたくさんの鞭枝を出しています。
 常緑の林の中の、地上高1mほどの幹についていました。


 枝葉は長さ 0.7~1.2mm、茎葉は枝葉より細く小さいようです。


 枝葉は深く凹んでいます。 乾いてもほとんど姿を変えません。


 葉はほぼ全縁で、翼部には着色された多くの翼細胞があります。
 深く凹んだ葉は、カバーグラスを被せると、どうしても深いしわができたり、葉縁が折れ曲がってしまったりします。


 上は翼部の拡大です。 翼細胞は方形~矩形で、葉身細胞は線形です。

(2019.2.2. 奈良市春日野町)

◎ イトヒキフデノホゴケはこちらにも載せています。


2019-01-31

ヤマトクラマゴケモドキ


 上の写真はヤマトクラマゴケモドキ Porella japonica だと思います。 手前のヒメクジャクゴケと共に岩を覆っていました。


 上は腹面から撮っています。 葉(背片)を含めた茎の幅は、上の写真では 1.5mmほどです。


 上は空気中で反射光での腹面の拡大です。 中央やや右に雄苞葉の重なりが見えます。 中の造精器は既に胞子を放出してしまっていました。
 腹葉は舌形で、茎の幅よりほんの少し広いようです。 細長い腹片は、茎に沿っていて、上の写真では、はっきりしていません。
 前に載せたヤマトクラマゴケモドキでは、背片にも腹片にも腹葉の側縁にもたくさんの歯が見られました(こちら)。 今回のものではこれらの歯はほとんど見られませんが、これも変異の幅に収まるようです。


 上は顕微鏡を使っての撮影ですから、水に浸した状態で透過光で見ていることになります。 今度は腹片がよく分かりますが、腹葉は茎に重なってはっきりしません。
 上のものでは、背片に1~2歯が見られます。 また多くの腹片では、先端と背縁基部に歯が見られます。


 腹片を拡大してみました(上の写真)。 背縁基部などの歯ははっきりしませんが、陰になっているのかもしれません。 先端には透明細胞が見られます。
 茎の表面を糸状に這っているのは菌糸か何かで、本種とは関係なさそうです。


 上は葉身細胞です。 クラマゴケモドキ科の油体は、どの種もよく似ていて、各細胞に数十個あり、均質な小さい楕円体です。

(2018.12.19. 滋賀県大津市 石山寺)

2019-01-29

ヒメハイゴケ



 葉がクルクル巻いている写真のコケははヒメハイゴケ Calohypnum oldhamii だと思います。



 育っていたのは、地表から1mほど離れたコナラの幹です(上の写真)。 ヒメハイゴケは低地ではハイゴケに次いで普通に見られる種で、平凡社の図鑑には「山地のやや湿った岩上、木の根元、地上、腐木上などに生える。」とありますが、木の幹にも生えるようです。


 これだけ鎌状に強く曲がっていると、葉の長さの測定は難しいのですが、長い葉は1mmを越えています。 上のように茎と枝との区別が難しい場合もあって・・・



 上の2枚は枝葉だったようです。 枝葉翼部の最下端の1細胞は薄膜透明で長楕円形の大きな細胞です(安藤,1995)。 しかしこの細胞は、うまく葉を剥がさないと、茎に残ったり、破損したりして、なかなかきれいに観察できませんでした。

◎ 茎葉の様子などはこちらに載せています。

(2019.1.25. 堺自然ふれあいの森)


2019-01-28

越冬中のウマノオバチ(オス)


 写真はウマノオバチのオスでしょう。 コナラの朽木の中で越冬していました。 標本はお見せしていませんが、コマユバチ科に詳しいF氏にお聞きすると、ウマノオバチはオスも越冬するようですし、よく似たヒメウマノオバチとの区別は後翅の翅脈を見ないと分からないが、ブナ科でみつかったのなら、ほぼ間違いないだろうとのことでした(ヒメ-はネムノキに入るカミキリ幼虫に寄生)。





(2019.1.25. 堺自然ふれあいの森)

◎ ウマノオバチのメスはこちらに載せています。

2019-01-25

コメバキヌゴケ


 上はコメバキヌゴケ Haplocladium microphyllum のようです。 木の根元にあったイヌケゴケの群落に混じっていたことに帰宅後に気がつきましたので、生態写真はありません。
 茎の自由奔放な曲がり方は同属のノミハニワゴケによく似ています。


 葉も、ノミハニワゴケよりもやや小さいのですが、とてもよく似ています。


 本種とノミハニワゴケとの明確な違いは、前者の葉身細胞には、上の写真のように、中央にパピラがあるのに対し、後者のパピラは細胞の背面上端にあります。


 上は葉の基部で葉縁に注目し、横からパピラを見ています。



 上の2枚は毛葉です。 平凡社の図鑑には「枝分かれした毛葉がまばらにつく。」とありますが、茎によって毛葉がついている所とそうでない所がありました。 また、時期によるのか生育状態によるのかわかりませんが、枝分かれしそうな雰囲気のある毛葉はあっても、枝分かれした毛葉は見あたりませんでした。

(2018.11.14. 大阪府豊能郡豊能町)