2018-09-01
アケビコノハ
パッと上の写真を見た時に、ドキッとしませんでしたか? じつはアケビコノハ Eudocima tyrannus の幼虫の模様の一部です。 一般に鳥は目玉模様を避けると言われていますので、たぶん鳥に食べられないように進化した模様なのでしょう。
上の写真の画像の粗さは、2006年5月撮影の古い写真ということもありますが、じつは下の写真をトリミングして回転させたものです。
全体像もなかなかおもしろい姿ですが、これは警戒している時の姿のようです。 頭部は上方ですが、目玉模様をよく見えるようにして、体の後方は鳥の恐れるヘビが首を持ち上げた姿を想像できなくもありません。
下は上と同じ幼虫を、上とは反対側から撮った写真です。 上の写真では、とてもかわった幼虫の姿のようですが・・・
上のように撮ると、普通の幼虫です。
上のような古い写真を持ち出したのは、久しぶりにアケビコノハの幼虫を見たからで、下は 2018.8.29.に「堺自然ふれあいの森」で撮った若齢幼虫です。
ミツバアケビの葉を食べることを止めて動かず、いちおうこれで警戒姿勢のはずですが、驚かすよりはむしろ目立たないようにしているのか、鳥などの糞に擬態しているのかもしれません。
違う角度で撮ろうと葉に触れたとたんに、ポトリと落ちてしまいました。 これがこの齢の幼虫の危機を避ける方法なのでしょう。
もう少し大きくなった幼虫も近くにいました。 目玉模様もはっきりしてきています(上の写真)。
古い写真に戻ります。 このアケビコノハ、成虫もなかなかのもので・・・
成虫は、葉柄まである枯葉そっくりの擬態で身を隠します。 そして、季節にもよりますが(上の写真は12月の撮影です)、少しくらい触っても、バタバタと暴れて逃げようとしたりはしません。 枯葉が動いてはおかしいですからね。 ですから上のような写真が撮れるわけです。
そして、いよいよ正体が見破られそうになると、上の写真のようにパッと後翅の模様を見せ、敵が驚いてひるんだ隙に飛んで逃げるという算段のようです。
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