2018-12-31

アツブサゴケモドキ



 写真はアオギヌゴケ科のアツブサゴケモドキ Palamocladium leskeoides だと思います。 岩を覆って生えていました。



 蒴はほぼ直立しています。 葉の長さはいろいろですが、2mm前後のものが多いようです。 葉は乾いてもほぼ写真の状態のままでした。 なお、よく似たアツブサゴケは乾くと葉が枝に圧着するようです。 ちなみに、厚総(あつぶさ)とは胸繋(むながい)などの馬具につけた厚く垂らした糸の総(ふさ)のことで、和名は枝の様子をこの厚総に見立てたものでしょう。


 葉は三角状披針形で細く漸尖しています。 葉には深い縦ひだがあり、中肋は葉先に達していますが、上部ではやや不明瞭になっています。 翼部は暗くなっています。
 下の写真からも分かるように、葉縁には全周にわたり細かい歯があります。


 上は翼部です。 翼細胞は短い楕円形の細胞からなっています。


 3枚目の写真で蒴の帽が僧帽状であることは分かりますが、上は帽の取れた蒴です。 蓋は背の高い三角錐です。


 目立つ蓋に比して蒴歯は貧弱です。 特に内蒴歯の発達が悪いようです。

(2018.12.19. 滋賀県 石山寺)

◎ アツブサゴケモドキはこちらにも載せています。 また本種によく似たアツブサゴケをこちらに載せています。