写真は、以下の観察結果から、ウツクシミズゴケ Sphagnum pulchrum だと思います。
育っていたのは上のような場所で、イボミズゴケなどと混生していました。 高層湿原の周辺など、いつも水に浸かるような所に生育するようです。
上は開出枝と下垂枝です。
上は開出枝の葉です。 下は上の葉先の拡大です。
腹面から撮っています。 枝葉の先端は狭く、鋸歯があります。
上は開出枝の葉の断面です。 葉緑細胞はほぼ正三角形で、背面に広く開き、腹面は透明細胞の高さの半分程度にまでしか達していません。
上の2枚は、下垂枝の葉とその葉先です。 葉先は急に尖っています。
上は枝葉を取り去った開出枝です。 写真中央上のレトルト細胞の先端はほとんど突出していません。
上は茎葉です。 茎葉は舌状三角形で、先端はささくれています。
上は茎葉の先端です。 葉縁の舷はほぼ先端まで達しています。 茎葉先端の透明細胞に貫通する孔はありません。
上は茎の横断面(一部)です。 表皮細胞はあまり分化せず、木質部との境ははっきりしません。
観察しての感想 : 和名に「ウツクシ」とありますが、他のミズゴケと比較しても、特に美しい姿とは思いません。 美ヶ原など、どこかの地名に由来しているのでしょうか。
(2021.7.15. 長野県 栂池自然園)
0 件のコメント:
コメントを投稿