2021-08-05

ミヤマミズゴケ

 

 上は秋田駒ケ岳の標高 1,400~1,450mの斜面にあったミズゴケです。 斜面は常に水が供給されているようで、ミズゴケはよく湿っていました。 以下の観察結果から、ミヤマミズゴケ Sphagnum russowii だと思いますが、平凡社の図鑑には検索表しかありませんし、紫紅色~淡紅色に着色することが多いミズゴケであることなど、少し疑問は残ります。

 上は茎の頂近くを横から撮っています。 ほぼ真上から撮った最初の写真でもそうですが、開出枝の幅は、枝先近くまであまり変わらないようです。 開出枝の枝葉は、葉が密についている所を見ると、やや螺旋状に5列についているようです。

 上は乾いた状態ですが、枝葉の葉縁は波打っていません。

 上は茎を撮っていて、右が茎頂方向です。 下垂枝は葉が枝にくっつき、下垂枝全体も茎に張り付いています。

 上は下垂枝と開出枝です。 本種はミズゴケとしては中程度の大きさで、開出枝の幅は葉を含めて1mmほど、下垂枝の幅はは 0.5mmほどです。 上の写真で、3本の開出枝のうちの1本は取れてしまったので添えています。

 上は茎の表皮で、右が茎頂側です。 茎の表皮は長方形で、上端に0~1個の孔があります。

 上は茎の横断面とその一部の拡大です。 表皮細胞は2~3層です。

 上は茎葉です。 透明細胞に孔はありません。 舷は上部では葉縁のみで、下部で広がっています。

 上は枝葉です。 先端は狭く、歯があります。

 上は枝葉の背面のほぼ中央です。透明細胞には縁の厚い楕円形~円形の孔があります。 孔の大きさは中形で、数もそんなに多くありません。

 上は枝葉の腹面のほぼ中央です。

 上は枝葉の断面とその一部の拡大です。 葉緑細胞は方形~三角形ですが、腹面に広く開いています。

 上は葉を取り除いた開出枝で、左の方向で茎にくっついています。 レトルト細胞に突出する首はありません。

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