2024-11-01

キリシマゴケ

 岩塊斜面にあったキリシマゴケ Herbertus aduncus です。 乾き気味の岩上で、そのためか褐色が強いようです。 何度見ても蘚類と間違えそうになります。
 乾いていると葉は上のように茎に接していますが・・・

 湿ると葉は開きます。 葉の長さは1㎜ほどです。

 葉(側葉)と腹葉があるのですが、腹葉は少し小さいだけで形は葉とほぼ同じです。

 上は葉で、葉掌部はほぼ方形です。 葉の中央部にビッタ(細長い厚壁の細胞列)があります。 下は上の赤い四角で囲んだ部分の拡大です。

 上の写真の多くはビッタ細胞で、右にあるのが葉身細胞です。 油体は米粒形で、葉身細胞で数個、ビッタ細胞で10~20個あるのですが、しばらく放置していたため、多くの細胞で失われています。

 上は茎の横断面です。 髄細胞のトリゴンは小さく、これもサクライキリシマゴケとの違いのひとつです。

(2024.9.7. 北八ヶ岳)

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