写真はムチゴケ科の苔類で、コムチゴケ(
Bazzania tridens )だろうと思います。
1枚目の写真では重なり合っていてよく分かりませんが、ほぐしてみると、茎は二叉状に枝分かれしています。 あちこちから枝分かれの無い根のようなものが出ていますが、これは「鞭枝」と呼ばれているもので、ムチゴケの名前は、この鞭(むち)に由来するのでしょう。
上の写真は湿らせていませんので葉が少し巻き気味ですが、この状態で植物体の幅(茎+両側の葉)は 1.5mmほどでした。
葉先には歯が3個あります。 上は腹面(地面に接する側)から撮ったものですが、ほぼ全縁に近い腹葉が見られます。
★ 腹葉の明瞭な写真はこちらに載せています。
上はまだ若い茎についている鞭枝です。 退化した葉らしきものがついていますから、やはり「枝」なんですね。
上は葉の細胞を見たものです。 トリゴン(隅の細胞壁が肥厚した構造)はやや小さく、数個の油体が見られます。
(2015.3.31. 畝傍山)
◎ 見た目のコムチゴケは変化に富んでいますが、その様子を
こちらに載せています。 また
こちらには蒴をつけたコムチゴケを載せています。