従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることはこちらに書きました。 今回はその4種のうちのウラベニジャゴケです。
上がウラベニジャゴケ Conocephalum purpureorubrum です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 表面にオオジャゴケのような光沢はありません。 気室間の溝が深いのは、上の写真からも分かるでしょう。 色に関しては、本種には関東地方で見られる黒みを帯びた東日本型と、静岡~沖縄で見られる黄色味を帯びた西日本型があり、写真は西日本型です。 西日本型の分布は、本州愛知県以西~四国・九州~沖縄本島北部とのことです。
写真右側の葉状体の中央に黒い筋が生じています。 これは下の組織の色が透けて見えているようですが、オオジャゴケやタカオジャゴケにこのような黒い筋は見られません。
上は腹面です。 冬越しの葉状体は和名のように裏面全体が柴紅色に染まるのですが、西日本型の若い葉状体の裏面は緑色~柴紅色といろいろです。
三日月型の腹鱗片が2列につき、各腹鱗片に1個の円形の付属物があることは、ジャゴケ属に共通の特徴です。
気室を拡大して撮りました(上の写真)。 気室孔とそれを取り囲む白色半透明の組織は、気室の幅の半分よりもずっと小さな径です。
上は葉状体中肋部の断面です。 気室間の溝は深く、粘液洞がよく発達しています。
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