蒴をつけたナミガタタチゴケ Atrichum undulatum がありました(2017.12.13. 京都市 貴船にて撮影)。
ナミガタタチゴケは 前に一度載せたきりで、スギゴケ科の特徴である薄板の様子も、葉の断面では載せていませんでした。 また、8月にナミガタタチゴケの葉を撮影したままになっている写真もありますので、この機会に葉についてもう少し詳しく載せることにしました。
以下は 2017.8.11.に堺市南区豊田にあったナミガタタチゴケで撮ったものです。
少し拡大して見ると、葉にたくさんの波状の横しわが見られます。 和名の「ナミガタ」はこの横しわに由来するのでしょう。
上が葉の断面です。 ナミガタタチゴケの薄板は中肋上に4~6列あり(上の写真では5列)、高さは3~4細胞です。
一般に蘚類の中肋は多層の細胞からなっています。 中肋の各部の名称も併せて入れておきました。 ガイドセルは水分を導く役割を持っていると考えられています。 ステライドは厚壁の細胞からなる組織で、平凡社の図鑑等にはその役割の記載はみつかりませんが、強度を保っているのでしょう。
上は葉を横やや斜め下から撮ったものです。 葉縁には対になった歯が並んでいます(葉縁と重なっている所は分かりにくいのですが、赤い円で囲った所などではよく分かります)。 また葉の裏(背面)には横じわに沿って歯が並び、中肋背面にも葉の上部を中心に歯が見られます。
上は葉の背面の横じわに沿った歯です。
上は葉の上部の中肋背面の歯を撮ったものです(3枚の写真を深度合成しています)。
◎ 本種は雌雄同株(異苞)で、こちらにはその様子を載せています。 また、こちらには本種の蒴歯の様子などを載せています。
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