伸び始めた蒴をつけたナミガタタチゴケ Atrichum undulatum がありました。 本種は雌雄同株(異苞)です。 写真のような時期なら胞子体の他に雄器も確認できるのではないかと思い、確かめてみました。
上は茎頂付近の手前の葉を取り除いて撮った写真です。 写真の水色の円がいくつかの造卵器のあった所で、そのうちの1つの造卵器の卵細胞が受精し、胞子体の蒴柄を伸ばしています。 そして赤い楕円形で囲った所が、頂に造精器をつける短枝なのですが、雄苞葉や鱗片葉に覆われ、造精器は見えていません。 これらの小さな葉を取り除くと・・・
先が少し赤っぽく染まったバナナのような造精器がみえました(上の写真)。 下はこの造精器を顕微鏡で確認した写真で、側糸も写っています。 胞子体がこれだけ生長している時期ですから、もちろん精子は入っていません。
(2024.8.25. 北海道 然別湖近く)
◎ こちらには本種の蒴歯の様子などを、こちらには葉の横断面などを載せています。
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