石垣の間に生えていたヘラハネジレゴケ(
Tortula muralis )が長い蒴をつけていました。
蒴の長さは3mmほど、蒴柄は長短あるものの、上の写真では 2.7cm、これだけ大きな胞子体を数mmの植物体の光合成で作るわけですから、さすがに負担は大きいようで、胞子体をつけている植物体の葉は茶色くなっていました。
葉は全縁で、中肋は葉身から長く突き出て毛尖となっています。 上の丸印a~cの場所の細胞を見ると・・・
上は3枚目の写真のaのあたりの細胞です。 「C」の文字のような模様がたくさん見えます。 この模様に焦点を合わせていますので、細胞壁はうっすらとしか見えていません。
上はbの位置あたりで葉の縁を斜めに見ていることになり、「C」の模様は細胞表面の盛り上がりだと分かります。 このような細胞表面の突起は「パピラ」または「乳頭」と呼ばれています。
cの位置になると、葉緑体も少なくなり、細胞の大きさも少し大きくなります。
(2015.12.22. 堺自然ふれあいの森)
◎ ヘラハネジレゴケの葉の乾いてねじれた様子などは
こちらに載せています。