2015-12-24

ヘラハネジレゴケ


 石垣の間に生えていたヘラハネジレゴケ( Tortula muralis )が長い蒴をつけていました。


 蒴の長さは3mmほど、蒴柄は長短あるものの、上の写真では 2.7cm、これだけ大きな胞子体を数mmの植物体の光合成で作るわけですから、さすがに負担は大きいようで、胞子体をつけている植物体の葉は茶色くなっていました。


 葉は全縁で、中肋は葉身から長く突き出て毛尖となっています。 上の丸印a~cの場所の細胞を見ると・・・


 上は3枚目の写真のaのあたりの細胞です。 「C」の文字のような模様がたくさん見えます。 この模様に焦点を合わせていますので、細胞壁はうっすらとしか見えていません。


 上はbの位置あたりで葉の縁を斜めに見ていることになり、「C」の模様は細胞表面の盛り上がりだと分かります。 このような細胞表面の突起は「パピラ」または「乳頭」と呼ばれています。


 cの位置になると、葉緑体も少なくなり、細胞の大きさも少し大きくなります。

(2015.12.22. 堺自然ふれあいの森)

◎ ヘラハネジレゴケの葉の乾いてねじれた様子などはこちらに載せています。