2015-12-08

タチヒダゴケ(コダマゴケ)


 上はタチヒダゴケ(別名コダマゴケ) Orthotrichum consobrinum です。 2015.12.6.に「堺自然ふれあいの森」の樹幹にくっついていたものを撮ったのですが、乾いた状態では、写真のように葉は縮れずに茎にくっついています。 この時期のほとんどの蒴は帽をかぶっています。


 湿ると(水をかけると)上のように葉を開きます。 蒴柄は短く、蒴の半分は葉に隠れています。 鐘状の帽の深いひだは湿ってもそのままです。 上は1月下旬の撮影ですが、所々帽の取れた蒴があります。


 上は2枚目と同じ日の撮影ですが、群落によっては胞子を出してしまった蒴もたくさん見られました。 胞子を出し終えた蒴には深い8本の縦の条ができています。 外蒴歯は8本です。



 葉は披針形で全縁、先はやや急に尖っています。 中肋は葉先近くに達しています。


 上は葉身細胞です。 平凡社の図鑑では「表面に1-2個の小さいパピラがある」と書かれているのですが、上の写真では、パピラはそんなに小さくもなく、数も2~3個の細胞が多く、4個の細胞もあります。

◎ 帽の残っている時期の蒴の断面をこちらに載せています。 また5月下旬の、帽のある蒴が見当たらなくなったタチヒダゴケや、その蒴の蒴歯や沈生気孔の様子などをこちらに載せています。