スギゴケとゼニゴケは蘚苔類の代表としてよく取り上げられますが、スギゴケについては殆どの場合、「スギゴケの仲間」の意味で使われています。 高校の教科書などに載せられている「スギゴケ」の図は、身近な所でよく見られるコスギゴケのことが多いですし、苔庭などで見られる「スギゴケ」は多くの場合、ウマスギゴケやオオスギゴケです。
以下は種としてのスギゴケ Polytrichum juniperinum です。
本種は冷涼な山地からハイマツ帯の地上に生えます。 上は長野県の標高約 1,400mの冬場はスキー場のゲレンデになる草地で2021.7.16.に撮影しました。
葉先から芒状に突出している赤褐色の中肋には歯があります。
本種は雌雄異株で、上は雄株です。 造精器は鱗片葉に守られます。
上は、他の植物がたくさん写っていますが、雌株です。
上は帽のある蒴(左)と胞子をほぼ出し終えた蒴(右)です。 蒴は角柱状で稜があります。
上の写真は、上が湿った状態、下が乾いた状態です。 葉は乾くとゆるく茎に接着します。 蒴柄の長さは、上の写真では約 3.5cmで、平凡社の図鑑では2~8cmとなっています。
葉は卵状楕円形の鞘部から披針形に伸びています。 葉身部の縁は内側に広く折れ畳まれています。
上は葉のほぼ中央の横断面です。 葉縁が長く伸びて薄板の上を覆っています。
薄板は6~8細胞の高さで、頂端細胞はフラスコ形です。
◎ 上は比較的密度の低い群落ですが、もっと密度の高い群落を形成している本種をこちらに載せています。
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