よく「スギゴケの仲間」の意味で「スギゴケ」という名前を使い、多くの場合はコスギゴケであることは、これまで何度か書いています。 "本物"のスギゴケ Polytrichum juniperinum は冷涼な環境で育つコケで、大阪府下などで自然環境下で育つことはありません。
上はその"本物"のスギゴケの雄株で、2022.5.29.に秋田県由利本荘市の標高470m付近で撮影しました。
上は湿った状態で、下は乾いた状態です。 湿った状態では葉はほぼ真横に開いていて、乾くと縮れず茎に接着します。
平凡社の図鑑では茎の高さは3~10cm、葉の長さは4~9mmと、生育条件によってかなり差があるようですが、今回のスギゴケは、高さは平均的、葉の長さは約4mmと、短めのようです。
葉先は赤褐色の芒状になっています。 葉の腹面は薄い膜状のものに覆われています。
上は葉の基部近くの横断面で、葉の腹面を覆っている膜状のものは葉縁が伸びたものですが、葉先に向かうにつれて薄板を完全に覆います。
上の写真では薄板の高さは6細胞ですが、平凡社では6~8細胞高となっています。 頂端細胞はフラスコ形です。
◎ こちらでは本種の蒴も載せています。
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