撮影 : 2015.2.19. 和歌山県 町石道 |
上がそのコスギゴケです。
上は乾いた状態のコスギゴケです。 蘚類を見分けるポイントの1つに、乾燥時の葉の様子があります。 コスギゴケの仲間( Pogonatum属)の葉は、乾くと写真のようにくるくる巻いたりよじれたりしますが、スギゴケの仲間( Polytrichum属)の葉は、乾いても茎に沿って寝るだけで、ほとんど縮れません。
上はコスギゴケの1枚の葉で、葉の縁には鋸歯が並んでいます。
上はコスギゴケの葉の断面を見たもので、上が腹面(茎に面している側)です(写真を2016.7.13.の京都市西芳寺川産に入れ替えています)。 腹面に櫛の歯状のものがびっしり並んでいます。 これは薄板(ラメラ)と呼ばれていて、これがあるのがスギゴケ科の特徴です。 ナミガタタチゴケの葉ではこの薄板は中央脈の上に数本存在するだけでしたが、コスギゴケでは葉の腹面全体が薄板に覆われています。
次に、蒴(さく)を見ていくことにします。
上が帽子(帽)を被った状態のコスギゴケの蒴です。
帽子を取ると(上の写真)、蓋のついた蒴が現れます。
上の写真では蒴を横にしています。 蓋を取ると、緑色をした胞子が出てきます。
上は蒴歯を拡大して撮ったものです。 写真から蒴歯の数を数えてみると、向こう側はボケていて数えられませんが、手前側にはおよそ15本ほどが数えられます。 蘚類の蒴歯の数は、8、16、32、・・・と倍々に変化していきますから、コスギゴケの蒴歯は32本だと言えます。 こちらでは、この蒴歯を顕微鏡でさらに詳しく見ています。 なお、スギゴケ科のなかには64本の蒴歯を持つ種類もあります。
◎ コスギゴケはこちらにも載せています。