ケゼニゴケの名前は、「毛のあるゼニゴケに似た苔類」ということでしょう。 しかし実際は、雌器床や雄器床には長毛がありますが(下の追記)、上の写真のように、葉状体の表面には毛は見られません。
一般的にゼニゴケ目の苔類には「気室」と呼ばれている小部屋状の構造が葉状体の内部にあります。 しかしケゼニゴケ
Dumortiera hirsuta では気室は痕跡的で、ルーペで見ると、葉状体の先端付近の表面に、気室の隔壁と解釈されているものが亀甲状に見えます。 これが白く光り、毛のように見えるのが和名の由来のようです。
(2015.2.15. 交野市にて撮影)
(2015.5.24.追記)
雌器托をつけているケゼニゴケがありましたので、下に写真を追加しておきます。
刺状に伸びる単細胞性の仮根が印象的です。
胞子体はまだ包膜の中です。
(2015.5.20. 東近江市にて撮影)
(以下、2015.9.24.追記)
ケゼニゴケの雄器托を下に載せておきます。
ケゼニゴケ属は雌雄同株なのですが、どちらか一方の生殖器官しか付けていない場合がほとんどのようです。
(2015.9.13. 京都市 宝が池公園)
◎ ケゼニゴケの雌器托や雄器托の年間を通しての変化を
こちらにまとめています。