写真はギボウシゴケ科のコメバギボウシゴケ Schistidium liliputanum でしょう。 遊歩道脇のコンクリートの土留の上に育っていました。 当日は雨の中でしたが、日当りの良さそうな場所で、葉は暗赤褐色です。
シズミギボウシ属という属名が表すように、蒴は雌苞葉内に深く沈生しています。 胞子を散布する段階では上の写真のように雌苞葉も開いていますが、若い蒴は下の写真のように完全に雌苞葉に包まれています。
葉の長さは1~2mmでした。
胞子を出している蒴を深度合成してみました(上の写真)。 蓋が中央少し下に引っかかっていますが、蓋の中央から伸びているものは、蒴の中にあった軸柱です。 ギボウシゴケ属( Grimmia )では蓋が取れても軸柱は壺に残るのに対し、シズミギボウシ属( Schistidium )では軸柱は蓋と共に壺から脱落します。
帽が覆っているのは蓋の部分だけです。 上の写真では軸柱が蓋の縁についているようにも見えますが、これは蓋の影になった部分で軸柱が曲がっているためで、実際は軸柱は蓋の中央にくっついています( ルーペで確認しました )。
葉は狭披針形で、透明尖があります。 葉は全縁か、稀に葉先付近に微鋸歯が見られます。
(2016.3.9. 京都市 菩提道)
◎ コメバギボウシゴケはこちらにも載せています。