赤い小さな蒴を点々とつけている写真のコケ、コメバギボウシゴケ Schistidium liliputanum だと思います。 コンクリート製の擬木の上で育っていました。
前に載せたもの(こちら)は、ほぼ同じ時期ですが暗赤褐色で、今回は暗緑色です。 平凡社によれば、日当たりの良い場所のものは前者のような色に、やや日陰のものは今回のような色になるようです。
蓋が取れそうになっている蒴がありました(上の写真)。 下で見るように、この蓋には帽が密着しているようです。 本種の属するシズミギボウシゴケ属の蒴は、その名のとおり、雌苞葉に沈んでいます。 雌苞葉の葉先は長い透明尖になっています。
上は蓋が取れたところです。 蓋は帽に覆われています。 軸柱が蓋にくっついて脱落するのはこの属の特徴です。 蒴歯の何本かは雌苞葉に隠されていますが、蒴歯は単列で16本です。
蒴歯の表面は微小なパピラで覆われています(上の写真)。
上は蒴壁の表皮細胞で、短い縦長の矩形に少し横長の細胞が混じっていました。
葉は狭披針形です。 葉先の透明尖は上のようにほとんど分からないものもありますが・・・
拡大すると、短いながらも透明尖が見られます。 葉縁はほぼ全縁ですが、上の写真のように葉先に低い鋸歯が出ることもあります。
葉の基部の細胞は縦長で、横壁は縦壁より厚くなっています。
上は葉身細胞です。
上は茎の断面で、中心束はありません。
(2022.3.28. 箕面公園)
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