写真はナガサキツノゴケ
Anthoceros punctatus でしょう。 あまりにもみごとに角(つの)つまり胞子体が出ていて、植物体(葉状体)が写っていない写真になってしまいましたが・・・。
コケ植物は、蘚類、苔類、ツノゴケ類の3種類に大別できることや、蘚類や苔類の胞子はそれぞれの胞子体内部で一斉に形成されるのに対し、ツノゴケ類の胞子は胞子体の先端から順に形成され、胞子体は先端から2裂して胞子を散布しはじめることを、
ニワツノゴケのところで書きました。
上の写真の胞子体は初期の胞子形成がうまくいかなかったのか、先端がくっついたままですが、裂け目が次第に下に広がりながら胞子を散布し続けている状態でしょう。 ツノゴケ類の胞子体は中心に軸柱があり、上の写真にもその軸柱が見られます(赤い矢印)。
胞子体にはあちこちに小粒が付着していますが、これが胞子です。 ナガサキツノゴケの胞子は黒い色をしています。
上の写真は 2016.4/29~5/5 に神戸市立森林植物園で開催された「
KOBEコケ展」で撮らせていただいたものです。
◎ 顕微鏡レベルでの特徴を含めたナガサキツノゴケの胞子体や胞子などについては
こちらに、葉状体については
こちらに載せています。