上の写真は樹幹のコケ群落です。 複数のコケが混生していて、一番よく目立っているのは、枝先に無性芽らしきものをつけているオカムラゴケですが、以下に取り上げるのは、小さな葉を密着させてつけている細い枝と蒴が写っているバンダイゴケ Rauiella fujisana です。 このコケだけを取り出してみると・・・
上の写真、蒴柄は12mmもあるのに、枝葉は 0.3mmほど、上の写真でははっきり写っていませんが、茎葉も 0.5mmほどしかありません。 蒴は傾き、非相称です。
上の写真では外蒴歯が曲がっていますので正確な比較はできませんが、内外蒴歯はほぼ同長です。 基礎膜は高く、1~2本の間毛が見られます。
茎には多くの毛葉が見られます(上の写真)。
上は顕微鏡で見た枝の毛葉です。
上は湿らせた枝を顕微鏡下で撮った写真で、湿ると葉は写真のように開きます。
上は枝葉です。 枝葉は卵形で鋭頭、中肋は葉長の2/3くらいで終わっています。
葉身細胞は厚壁で、先が分かれた大きなパピラがあります。
上の2枚は茎葉です。 茎葉は広卵形の下部から急に細く尖っています。 中肋や葉身細胞のパピラの様子などは枝葉とほぼ同じです。
(2020.9.1. 北海道 苫小牧市)
◎ ほぼ同時期のバンダイゴケはこちらにも載せています。 またこちらには、帽のある蒴の時期の本種を載せています。
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