湿った所に横たわる朽木の上に育つコバノエゾシノブゴケ
Thuidium recognitum var.
delicatulum です。
和名の「コバ」は「小葉」だと思うのですが、どの部分を指しているのでしょうね。 シダ植物のシノブの葉に似た部分を指しているのでしょうか。 それともほんとうに茎葉の大きさが小さいという意味なのでしょうか。 とにかく植物体はそんなに小さくはありません。
上は茎葉で、葉を1枚とりだす時に、たくさんの毛葉がついてきました。 茎葉の葉先は尖っていますが、毛状の透明尖にはなっていません。
上は茎葉の葉身細胞で、1個の尖ったパピラがあります。
上は枝葉で、細胞のパピラから小さな点として写っています。 なお、細胞の写り方の違いからも分かるように、4枚目の茎葉の写真とは拡大率は異なります。
枝葉の先端の細胞の様子も同定のポイントの1つになりますので、3枚の枝葉の葉先を並べてみました(上の写真)。 本種の枝葉の先端の細胞は鈍頭で、2~4個のパピラがあります。
上は毛葉です。 本種の毛葉の細胞は長く、中央付近に1個のパピラがあり(細胞の陰になると見えません)、先端の細胞は尖っています。
(2020.8.31. 北海道 苫小牧市)
◎ コバノエゾシノブゴケは
こちらにも載せています。