蘚苔類は植物体(=配偶体)と胞子体という2種類の体を持っています。 配偶体は卵と精子による有性生殖によって子孫を作り、胞子体は胞子による無性生殖によって子孫を増やします。 多くの場合、胞子体は配偶体から栄養をもらって寄生的に生活しているため、配偶体の体の一部と誤って見られることも多いようです。 しかし核相から見ても、配偶体の体を作っている細胞の核相は単相(n)で、胞子体の体を作っている細胞の核相は複相(2n)と、異なっています。
胞子体の体は、蒴、蒴柄、足からなっています。 蒴と蒴柄は外部から見る事ができますが、足は配偶体の体の中に埋まっているため、その存在に気付く人は多くありません。 しかし胞子体の足は大切な働きをしています。 蒴柄が伸びる時には蒴柄を支える働きをしていますし、胞子体が配偶体から栄養をもらうのは足の部分をとおしてです。
上は昨日載せたコツリガネゴケで、配偶体の葉が集まっている中央から蒴柄が伸びています。 この蒴柄の下に足があるはずで、それを確かめるために黄色の線の所で切片をつくり、顕微鏡で見たのが下の写真です。
黒い輪郭を持った気泡がたくさん入ってしまいましたが、中央に円形の組織があります。 これが足の組織です。
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