ラベル 1158 ツヤゴケ科 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2025-08-23

マルバツヤゴケ

 写真はマルバツヤゴケ Entodon concinnus subsp. caliginosus でしょう。 石灰岩上にありました。

 茎は羽状に分枝しています。 上の写真の背景は1㎜方眼ですので茎の長さは約6cm、平凡社では茎の長さは10cm前後になるとあります。

 葉には光沢があります。 枝葉は茎葉より小形で細長くなっています。

 上は茎葉です。 和名のとおり、よく見るヒロハツヤゴケより円みがあります。 翼部が暗いのですが、その理由は・・・


 上の2枚は別の葉の翼部ですが、いずれも翼部の細胞は重なって見えます。

 上は翼部の横断面です。 翼部は2~4細胞層の厚さがあります。

 上は葉身細胞です。

(2025.8.18. 伊吹山)

2024-02-19

サクラジマツヤゴケ

 


 写真はサクラジマツヤゴケ Entodon calycinus でしょう。 倒木の上に広がっていました。 蒴が直立しているのは、この属の特徴です。

 内雌苞葉が長いのは本種の大きな特徴です。 上の写真の内雌苞葉は約4mmですが、4.5mmに達するようです。 蒴柄の長さは上の写真では 8.5~9mm、平凡社では6~20mmとなっています。

 上は蒴歯を蒴の内側から撮っています。 本属の内蒴歯は基礎膜が低く間毛も無いのですが、本種は内蒴歯の歯突起も発達が悪く、平凡社では「・・・歯突起は破片状で外蒴歯に付着する。」とあります。 上の写真でも、たしかにその傾向はあり、整った形の歯突起ではありません。

 上は胞子です。 平凡社では胞子の径は 13~18μmとなっており、上の写真ともほぼ一致します。

 上は茎葉です。 1枚の葉をヒロハツヤゴケと比較すると、本種の方が少し大きいのですが、特徴はよく似ています。

 上は翼部です。

 上は葉身細胞です。 やはりヒロハツヤゴケに似ています。

(2024.2.17. 大阪府池田市 五月山公園)

2023-10-11

エダツヤゴケ

 身近な所で普通にあるコケでも、アオギヌゴケ属を筆頭に、ルーペレベルでの同定の難しいコケはいっぱいあります。
 エダツヤゴケくらいはルーペで自信を持って同定できるようになりたいのですが、生育環境によっても時期によっても変異が大きく、ツヤゴケ属であることを翼部で確認しようと思ってもルーペでは無理で、なかなか難しいものですね。
 エダツヤゴケ Entodon flavescens はこれまで何度も載せていますが、具体例を多く見て脳の抽象化処理に期待するしかないかと思い、また載せます。

 上は湿った状態、下は乾いた状態です。 目盛りは1mmです。

 エダツヤゴケのルーペレベルでの特徴は、特に湿った状態ではツヤがあること、枝が多く、そこからさらに小枝を出すことが多くあること、その結果として、小さな葉から大きな葉まで、葉の大きさがかなり異なることなどが挙げられます。 しかし、茎から枝の出る角度はさまざまですし、枝の粗密も場所によって異なりますから、見た印象も見る場所によって異なります。

 いちおう本種であることの確認のために茎葉を調べましたが、平凡社の記載より小形です(上の写真)。 葉の大きさも生育環境などで変化するようです。

 上は翼部です。

 葉身細胞は長さ 50-65μm、幅約5μmです(上の写真)。

(2023.10.9. 奈良県 川上村)

◎ こちらやこちらには新しい茎を伸ばし始めた春先の姿を、こちらには細い蒴をつけた9月の様子を、こちらには太くなった蒴をつけた11月の様子を載せています。

2022-03-27

ホソミツヤゴケ

 

 写真はホソミツヤゴケ Entodon sullivantii だと思います。 コンクリート製の擬木に張り付いて育っていました。 蒴は成熟に近づいているようです。

 蒴の成熟に向けて栄養分を送り続けた配偶体は、葉の色を見ても弱り気味のようです。 葉はゆるく扁平についています。

 上は茎葉です。 Entodon(ツヤゴケ属)の特徴として、翼部には方形の細胞がたくさん見られます。

 上は葉身細胞です。

 上は枝葉です。

 枝葉の葉先には微歯が見られます(上の写真)。

 上は蒴歯です。 内蒴歯の基底膜は低く、間毛はありません。


 外蒴歯の下部には密に横条があります(上の2枚の写真)。 本種に似たヒロハツヤゴケの蒴歯には、このような横条はありません。

(2022.3.17. 箕面公園)

◎ ホソミツヤゴケはこちらにも載せています。

2020-11-21

エダツヤゴケの蒴

  蒴をつけたハネヒツジゴケと思われるコケを採集したところ、蒴をつけたエダツヤゴケ Entodon flavescens が混じっていました。 群落の撮影中には全く気づかなかったので、生育状況を撮った写真はありませんが、エダツヤゴケの蒴は、まだ太くなっていない時期のもの(こちら)しか載せていませんでしたので、載せておきます。

 蒴は直立し、蒴柄の長さは、上の写真では2cmを少し切っていますが、これの倍ほどの長さになることもあるようです。 蒴の長さも長く、4mmほどあります。

 上は、クモの糸を見落として撮影してしまいましたが、帽のある蒴(右)と帽の取れた蒴(左)です。 帽は僧帽形で、蒴の大きさに比較して大きな帽を持つのも、この属の特徴です。

 葉や茎などの様子はこれまでに何度か載せていますが(こちらやこちらなど)、下にも簡単に載せておきます。

 植物体は黄緑色で、光を当てるとツヤのあることがよく分かります。 茎は密に羽状に分枝しています。

 上は茎葉です。 中肋は二叉し、翼部には方形~矩形の細胞群があります。

(2020.11.8. 六甲山 岩上)






2020-05-21

ミドリツヤゴケ@5月


 写真は樹幹のミドリツヤゴケ Entodon viridulus だろうと思います。 かなり乾いた状態で、植物体は淡緑色でした。 葉は乾いても縮れていません。
 蒴柄は黄色です。 平凡社の図鑑によると、日本産の Entodon(ツヤゴケ属)は13種あるのですが、そのうち蒴柄が黄色なのは本種とツクシツヤゴケ E. macropodus (以下、ツクシと書きます)の2種しかありません。


 上の写真では茎葉が少なく長さも測定しにくいのですが、2mmに届かないようです。 ツクシは全体的にもう少し大型で、葉の長さも、平凡社では2~2.5mmとなっています。


 葉は楕円形です。 中肋ははっきりしません。 ツクシの葉は卵形~狭卵形です。


 葉先付近には細かい歯が見られます。


 翼部には方形の細胞が並んでいます。


 上の写真の葉身細胞の長さは 90μm前後です。 ツクシの葉身細胞は 120~160μmです。


 上は外蒴歯にピントを合わせています。 上部が失われていますが、本来の外蒴歯は線状披針形です。


 上は内蒴歯にピントを合わせています。 内蒴歯は線形です。 野口(1994)の図を見ると、ツクシの内蒴歯には細かい縦の条がたくさん入っています。

(2022.5.1. 奈良県 柳生街道)

◎ こちらには12月末の、蒴に帽がついている状態のミドリツヤゴケを載せています。

2020-05-13

4月のエダツヤゴケ



 コブラが鎌首をもたげたような上の写真のコケ、朽木上で育っていました。 教えていただいて、同じような写真をこちらに載せていたことに気づきました。
 エダツヤゴケ Entodon flavescens は春に新しく伸びる茎は上に伸び、そこから枝を左右に広げて重くなるにしたがって次第に倒れていくようです。 結果として古い枝葉の上に新しい枝葉を展開することになり、その“新しい工場”で盛んに光合成を行うのでしょう。 結果として本種の年を経た群落は厚みを持つことになります。


 上の8mmの目盛より右が、この春に伸び出た茎で、8mmの目盛より左ではたくさんの枝が出て、それらの枝からはさらに小枝が出ています。 このような密に枝分かれする様子は本種の特徴の1つで、和名もそこに由来するのでしょう。
 このような伸び方の結果として・・・



 本種の茎葉と枝葉を比較すると、茎葉は大きく、枝につく葉は小さく、小枝につく葉はもっと小さくなり、大きさだけではなく形も異なります。 これも本種の特徴の1つです。
 上の2枚の写真は、1枚目が茎葉で、2枚目が枝葉です。倍率は同じにしてあります。


 上は茎葉の翼部です。 翼部には多数の細胞が格子状に並んでいます。 これは Entodon(ツヤゴケ属)の特徴の1つです。


 上は茎葉の葉身細胞です。 平凡社の図鑑の記載とは少し異なるのですが、細胞の形はともかく、特に線形の細胞の長さには変異があるように思います。


 茎の断面も観察しましたので載せておきます(上の写真)。