太い木の枝に着生していた上の写真のコケ、このような苔類は腹面(基物に接している側)を観察しなければ同定できません。 以下に書く観察の結果はチヂミカヤゴケの雄株のようでした。
チヂミカヤゴケ Porella ulophylla は雌雄異株で、雌株はその名のとおりクチャクチャに縮れています(こちらやこちら)。 しかし雄株はほとんど縮れません。
上は腹面からで、腹片にピントを合わせています。 平凡社の図鑑では、チヂミカヤゴケの腹片に関しては、「雌株では舌形で,雄株では三角形,ともに稀に袋状」となっています。 上のように袋状の腹片が続くことは稀なようです。
上は腹葉ですが、わかりにくいので、赤い線を入れてみたものを下に載せておきます。
腹葉は茎の2倍ほどの幅で全縁、先端は外曲しています。
上は葉身細胞です。 油体は小さな楕円体です。
(2019.3.13. 兵庫県三田市)
◎ 腹片が袋状になったチヂミカヤゴケの雄株はこちらにも載せています。
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