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2025-08-05

イヌビワシギゾウムシの産卵

 下はPart1の2011年6月4日に載せていた記事を中心に加筆改変し、こちらに引っ越しさせたものです。

 ゾウムシの仲間のうち、鳥のシギのくちばしのように口吻が特に細長いものをシギゾウムシと呼んでいますが、今回はイヌビワシギゾウムシ Curculio funebris の産卵の様子です。
 観察したのは、高さ1.5mほどの横に枝を広げたイヌビワでしたが、イヌビワシギゾウムシはこの木で、交尾中のものが1組(これは枝が邪魔をして撮ろうとしているうちに逃げられました)、産卵中のものが3頭、歩き回っているのが1頭いました(堺市南区岩室 2011年6月4日17時すぎ)。


 イヌビワの花嚢(かのう)に口吻を根元まで差し込み、穴をあけて・・・

 口吻を引き抜いた後に反転し、産卵管を差し込み、産卵します。 花嚢の壁は硬いので、口の所から産卵するのだと思いますが・・・

 上のようなケースもありました。 花嚢が小さいうちは壁が柔らかいからでしょうか。


 8月上旬、花嚢を割ると上のようなイモムシがいました。 イヌビワシギゾウムシの幼虫ではないかと思います(2012年8月11日 堺自然ふれあいの森)。

2025-03-24

ヤナギハムシ

 昨日(2025.3.24.)、コケの上を歩くヤナギハムシ Chrysomela vigintipunctata を見ました(上の写真:大阪府交野市で撮影)。 和名は「ヤナギ類の葉を食べる虫」の意味です。 ヤナギの葉も開いていない時期ですので、成虫越冬から目覚めて歩き出し、これからヤナギの枝に産卵するのでしょう。 そのことの確認を兼ねて、過去に撮った本種の写真を拾い出してみました。

 上は4月20日(2013年)に撮った本種の幼虫で、ヤナギの葉をたべています。

 上は5月25日(2012年)に撮った新成虫です。 1枚目の写真と比較すると、上翅が黄色っぽいですが、本種の未成熟個体の上翅は黄色く、次第に朱赤色に変化します。 なお、黒い斑紋の大きさには変異があり、極端な場合には消失する場合もあるようです。

2024-08-24

オオフタモンウバタマコメツキ

 写真はオオフタモンウバタマコメツキ Cryptalaus larvatus(別名フタモンウバタマコメツキ)でしょう。 体長が26~32mmもある大きなコメツキムシで、成虫は6~8月に見られます。 上は8月中旬に堺市の逆瀬川で、下は7月中旬に堺自然ふれあいの森で撮りました。
 幼虫はマツ類の枯れ木を食べて育ちます。




 

2024-08-19

アオカナブン?の構造色

 アオカナブン Rhomborrhina unicolor とカナブン R. japonica はよく似ています。 アオカナブンには上のような色の個体が多いのですが橙色の個体も見られますし、カナブンも銅色や真鍮色の個体が多いのですが,緑色の個体も見られます。 両者の違いは後脚の付け根がいちばんはっきりしていて、前者の後脚の付け根は接していますが、後者は明確に離れています。
 上の写真はアオカナブンだと思うのですが、この点を確認していませんので、「?」をつけておきますが、ここで取り上げたいのは、体の色です。
 上の写真は、フラッシュを使用せず、自然光下で撮影しました。 下は同じ個体を、フラッシュの光を使って撮影した写真です。

 この色の違いは構造色(structural color)によるものでしょう。 アオカナブンなどの体の表面は微細な構造を持った薄いキチン質の膜が何層も重なっています。 この微細な構造によって反射光が干渉し、特定の波長の色が強調されます。 自然光とフラッシュの光の違いが違う光の干渉を生じさせ、違う色が現れたのでしょう。

2024-08-17

ヤツメカミキリ


 暑い日は出かけず写真の整理など。 上は6月中旬に滋賀県大津市で撮ったカミキリで、ヤツメカミキリ Eutetrapha ocelota だろうと思うのですが、赤い楕円で囲った所の黒斑はシナカミキリのようなパターンです。 カミキリの仲間はとても種類が多く似たものもたくさんいて、個体変異も多く難しいのですが、Eutetrapha(シナカミキリ属)であることには間違いないと思います。 背面にたくさんある小さな黒い点にみえるものは、黒い剛毛です。

 カミキリムシの仲間を見分ける時には、触角の色や形も大切なポイントになるのですが、本種の触角の第3節は第4節より長くなっています。
 本種はサクラやウメなどの老木に産卵するらしく、体の色は、それらの幹に多いウメノキゴケなどの地衣類の上で保護色になると言われています。 しかし上の写真の色では、保護色になりそうもないですね。 じつは上はフラッシュの光を当てています。 自然光の下ではもうすこしウメノキゴケに似た色をしているのですが、フラッシュの強光で構造色が変化したようです。

 下はPart1の2014.6.10.から引っ越した写真で、間違いの無いヤツメカミキリです。 上の2枚目の赤い楕円で囲った所の模様と比較してみてください。


 上の2枚は5月下旬に、サクラの葉の上にいた本種を撮った写真です。


2023-07-07

キンバネツツガタハネカクシ


 写真はキンバネツツガタハネカクシ Aulacocypus gloriosus(旧和名:キンボシハネカクシ)だと思うのですが、少し疑問も残ります。 ひとつは、本種は平地から低山地にかけてみられるハネカクシとされているのですが、撮ったのが北八ヶ岳の標高2,130m付近であること。 もうひとつは、上翅の金色毛がとても少ないことです。

(2023.6.24.撮影)

2022-10-12

ルリテントウダマシ

 下は2013.10.3.に橿原神宮で撮影し、Part1の 2013.10.12.に載せていたものを、少し変更し、こちらに引っ越しさせた記事です。

 写真はルリテントウダマシEndomychus gorhami でしょう。 少し腐りかけた伐採木にいました。 前胸背板は光沢のある黒色で、波曲して側縁が扁平になっています。 前翅は光沢のある濃い瑠璃色なのですが、この色が写真ではなかなかうまく表せません。 下の写真も、逃げこまれる前に瑠璃色を表現したいとあせって撮り、顔には全くピントが合っていません・・・(-_-;


 ルリテントウダマシはテントウムシダマシ科に分類されています。 テントウムシダマシの仲間は熱帯アジアに分布の中心を持ち、食菌性で、主に多孔菌類を食べているようです。

2022-09-26

カオジロヒゲナガゾウムシ

 

 少し腐りかけたコナラの伐採木にいた逃げ回る小さな虫、最初上の写真を撮った時は、何の仲間か見当がつきませんでした。 ところが横から撮ってみると・・・

 白っぽくて細長い顔が下に伸びています。

 カオジロヒゲナガゾウムシ Sphinctotropis laxus はヒゲナガゾウムシ科に分類されています。 成虫は6月~9月に見られます。 幼虫は朽木の中で育つので、産卵のためでしょうか、成虫は枯れ木に集まるようです。

★ 上は 2013.9.26.に「堺自然ふれあいの森」で撮影し、Part1の 2013.10.3.に載せていた記事を、少し追加訂正のうえ、こちらに持ってきました。

2022-09-02

キクビアオハムシ

 写真はキクビアオハムシ Agelasa nigriceps でしょう。 上翅の色には変異があって、名前どおりもっと緑青色の個体もいるようです。
 上は、北海道にある野幌森林公園のヤマブドウの葉の上で 2022.8.23.に撮影した写真ですが、前から撮ろうとして葉を揺らしてしまった瞬間、ポトリと落ちられ、行方不明になりましたので、写真はこの1枚だけです。
 食餌植物は、上記のヤマブドウ(ブドウ科)の他、サルナシ(マタタビ科)、オオバアサガラ(エゴノキ科)、ノリウツギ(アジサイ科)など、けっこういろんな植物を食べているようです。 北海道から九州まで分布しています。

 

2022-04-29

トゲヒゲトラカミキリ

 擬木に交尾中のトゲヒゲトラカミキリ Demonax transilis がいました。 メスの中脚と後脚はオスの前脚と中脚と絡み合っていて、互いに離れないようにしているようです。

 見ていると擬木の凹みにこだわっているようでした。 擬木を本物の木と間違えて樹皮の隙間に産卵しようとしているのかもしれません。

 和名の「トラ」は胸部が膨れたカミキリのグループにつけられた名前で、横縞模様のものがいるからですが、「トゲヒゲ」は触角の3~5節が角張り、トゲ状に張り出すことがあるからのようです。

(2022.4.29. 箕面公園)

◎ トゲヒゲトラカミキリはこちらにも載せています。


2022-02-08

メダカチビカワゴミムシ

 下はPart1の2014年2月5日からの引っ越し記事です。

 写真の体長4.5mmのメダカチビカワゴミムシ、どこにいたのか分かりません。 気がつくと、私の服の袖を歩いていました。 たぶん樹皮をめくっていた時に飛び出したのではないかと思いますが、いろんな樹皮をめくっていたので、どの木にいたのか不明です。
 とにかく捕らえて持ち帰り、家で撮影したのですが、タタタと走り、瞬時止まったかと思うと、また走り出します。 その走りの速いこと! 姿も走り方もハンミョウに似ていますが、ハンミョウのようにすぐ飛ぶことはありませんでした。

 メダカチビカワゴミムシはオサムシ科ミズギワゴミムシ亜科に分類されています。 名前に「カワ」とついていて、河原の石の下などでもみつかりますが、春~秋の活動期でも朽ち木や樹皮下にもいるようです。
 食性についてはよく分かっていないとのことですが、口の様子からすると、小さい虫を捕食しているのかもしれませんね。

 メダカチビカワゴミムシ属(Asaphidion)には3種が知られていますが、エゾメダカチビカワゴミムシは北海道以北の分布ですし、メダカチビカワゴミムシは、下の写真(クリックで拡大します)の赤い矢印のように、前胸の側縁と後角に剛毛が見られますが、テンリュウメダカチビカワゴミムシは後角の剛毛を欠くということですので、写真はメダカチビカワゴミムシ(Asaphidion semilucidum)で間違いないでしょう。

(2014.1.24. 堺市南区豊田)

2021-10-05

クロウリハムシのトレンチ行動

 カラスウリの葉に描かれたたくさんの円形の食み跡(上の写真)、クロウリハムシのしわざです。

 クロウリハムシ Aulacophora nigripennisカラスウリの葉が好物ですが、その食べ方を見ていると、まずカラスウリの葉に円形の切れ込みを入れ、それから切れ込みの内側を食べ始めます。
 上の写真で、右下の個体は、カメラを近づけたために顔を上げてしまいましたが、切れ込みを入れている最中でした。 そして左上の個体は、円形の切れ込みの内側を食べ始めています。
 このような切れ込みを入れる行動は「トレンチ行動」と呼ばれています。 英語の trench (トレンチ)は、「溝」や「くぼみ」などの意味です。
 クロウリハムシはなぜこのような行動を取るのでしょうか。 カラスウリの生長の盛んな時期の葉は、傷をつけられると被食を防ぐ乳白色の液体を出します。
 この液体は、網の目状に張り巡らされている葉脈(維管束)を通って運ばれてきます。 トレンチ行動は、この維管束を切断しておき、食べている所から液体が出てこないようにしているのでしょう。
 秋になり、カラスウリの活性も低下し、葉を傷つけられてもあまり液体は出てきていないようです。 クロウリハムシの立場から言えば、被食忌避物質の少なくなった時期が、カラスウリの葉の食べ頃かもしれません。

 トレンチ行動を行うかわりに、別個体が作ったトレンチや摂食跡を利用することも有意義な行動になるでしょう。 このことが、たくさんカラスウリの葉があってもクロウリハムシが特定の葉に集中する理由の一つではないでしょうか。

※ 上は 2013.9.26.に撮影し、Part1の 2013.10.6.に載せていた記事をこちらに引っ越しさせたものです。

2021-09-27

ジョウカイボン・アオジョウカイ

 ● ジョウカイボン Lycocerus suturellus

 ジョウカイボンという甲虫がいます。 全国の平地や山でよく見る甲虫で、以前にブログに載せた記憶があって、最近はみかけても写真も撮っていませんでした。 ところが見直してみると、載せたのはサービス終了になってしまったホームページでした。 そこで改めて古い写真を引っ張り出したのが下の2枚です。

2018.4.27. 堺自然ふれあいの森

2012.5.13. 堺市南区岩室

 このジョウカイボン、他の虫を補食する、わりとどう猛な昆虫です。 名前の由来は、一説には平清盛の法名「浄海坊」が訛ったものと言われています。 以前、ジョウカイボンはカミキリモドキと混同されており、カミキリモドキが持つカンタリジンは皮膚に付くと火傷のような炎症を起こすことから、熱病で苦しんだ平清盛の名前に結びつけた、というものです。
 同じ肉食でこれに近い仲間はたくさんいて、「〇〇ジョウカイ」という名前が付けられています。 下はそのうちの1種で、 2021.7.8.に秋田駒ケ岳で撮影しました。

● アオジョウカイ Themus cyanipennis


 分布は北海道、本州、四国で、大阪付近の山でも何度か見たことがあります。

2021-08-20

コブヤハズカミキリ


 秋田県の標高900m付近で撮ったコブヤハズカミキリの仲間です(撮影:2021.7.9.)。 この仲間は上翅がくっついていて飛ぶことができません。 移動距離が限られているため、種分化が進み、日本国内にはコブ、マヤサンコブ、タニグチコブ、フジコブ、セダカコブ、ヤクシマコブの6種が分布しているとされていますが、亜種を入れるともっと多くの種類になりますし、雑種も生じやすく、分類はなかなか困難なようです。 上の写真のものは、青森県~長野県に分布するコブヤハズカミキリ Mesechthistatus binodosus で、触角の長さからメスだとだと思います(オスの触角は体長の2倍ほどの長さです)。 ちなみに、大阪付近にはセダカコブヤハズカミキリが分布します。
 新成虫は夏に出現し、成虫越冬します。 上記のように飛べませんから、採集は下に網を受けておき、いそうな枝を叩き、偽死で落下した個体をつかまえる方法がよく使われます。 秋の新成虫が出そろった時期は、カミキリムシ愛好家の間では「コブ叩き」のシーズンとなります。

2021-07-08

ヤマトデオキノコムシ

 硬質菌(ボロボロになっていて種名は不明)の上にいたハネカクシ科のヤマトデオキノコムシ Scaphidium japonum です(2021.6.28.京都御苑で撮影)。 ハネカクシ科の甲虫は腹部が前翅(上翅)からはみ出しているのが特徴ですが、本種も腹部が3節はみ出しています。 和名もそのことに由来していて、「デオ」は「出尾」でしょう。
 上の写真のような朽木に生えたキノコに来ますが、脚が長く、素早く動き回ることができ、写真も上の1枚しか撮らせてもらえませんでした。 そこで・・・
 以下の写真は 2013.2.16.に堺自然ふれあいの森で撮影した、伐採木の下で越冬していた個体で、 Part1の2013.2.28.からの引っ越しです。



 冬眠中の個体は長い脚も縮め、おもしろい形の触角も体に密着させていて体の前後さえ分かりにくくなっています。

2021-06-29

トガリシロオビサビカミキリ

 擬木にいたカミキリ、サビカミキリの仲間は似た種類が多く難しいのですが、トガリシロオビサビカミキリ Pterolophia caudata ではないかと思います。 この仲間は動きが緩慢ですが、体を擬木の模様(汚れ?)に合わせるようにして全く動きません。 普通に横を歩いて通っても、気がつかないでしょう。
 昆虫が周囲に合わせて目立たないようにしているところによく出会います。 しかし昆虫は周囲とどのような関係の位置にいるのか、どうして分かるのか、不思議です。

 光の当て方を工夫し、マクロ撮影で背景をボカせば、くっきり写ります。 翅端は和名のとおり尖っています。 赤い矢印で示した黒い班は・・・

 赤い矢印で示した所は、上から見ると黒い斑に見える部分ですが、瘤状に隆起しています。

 かなり厚みのある体です。

(2021.6.17. 箕面の森)