2019-06-25

イトコミミゴケ


 岩に垂れ下がる小さなコケ、イトコミミゴケ Lejeunea parva のようです。 枝分かれは多くありません。


 背片は三角形に近い形で鈍頭、ほとんど重なっていません。 平面的な写真になってしまいましたが、湿った状態では背片が背方に偏向していることは葉の向きで分かります。
 腹片は背片の1/2ほどの長さです。 上の写真では腹葉は暗い部分と重なってほとんど分からなくなっています。


 腹葉は長さも幅も茎径の2倍ほどで、2/5ほどV字形に2裂しています。 上の写真では腹片の歯牙の様子はよく分からないので、そのあたりを拡大して撮影すると・・・


 上は軽く深度合成して歯牙周辺をはっきりさせたものです。(深度合成で背後まではっきりさせると、よけいに分からなくなります。) しかしこれでもまだ分かりにくいので、一部細胞のアウトラインを加筆したのが下です。


 歯牙は1細胞からなっています。 長楕円形の歯牙細胞に続く赤い線で示した細胞も歯牙を形成している細胞かとも思ったのですが、これは画面奥に続く腹片の縁を形成する細胞の1つのようです。
 歯牙細胞から始まりキール側に向かう腹片の縁は「C」の字形のカーブを描いています。 また、キール先端部の葉の細胞は大きく膨らんでいます。


 上は葉身細胞です。 油体は各細胞に4~10個、楕円形~紡錘形で、微粒の集合です。

(2019.6.12. 神戸市北区 道場)

2019-06-24

ウキウキゴケ


 従来ウキゴケと呼ばれてきたコケは、複数の種が混同されていたようで、このうち、上の写真の Riccia fluitans の和名はウキウキゴケとされるようになってきました。 清流によく育っているこのコケを見ると気分がウキウキするかもしれませんが、そのことは和名とは関係なく(^_-) 水面近くの水中に浮いて育つウキゴケなので「浮きウキゴケ」です。


 上のウキウキゴケは水深のとても浅い所で育っていて、一部は水中に育ち、一部は空気中に出ています。 水中にある茎葉体の先端部からは光合成の結果できた泡がたくさんくっついています。


 葉状体の断面を作ってみました(上の写真)。 葉状体内部にはたくさんの気室が見られます。 これが浮くためのしくみでしょう。


 ウキウキゴケは二叉状に分岐しながら生長しますが、古い葉状体で、通常の生長方向とは 90°異なる方向に枝を伸ばしているように見える所がありました(上の写真)。

(2019.6.12. 神戸市北区 道場)

◎ ウキウキゴケはこちらにも載せています。

2019-06-22

コハイヒモゴケ



 写真はコハイヒモゴケ Meteorium buchananii ssp. helminthocladulum です。 岩上に育っていました。


 上は乾いた状態で、茎の幅は葉を含めて1mm前後あります。 葉は覆瓦状に茎に密着していて、基部まで見えていませんが、葉先の細く伸びた部分を含めて、1mmはありそうです。


 葉は舌形で、葉先は急に細くなっています。 葉面は深く凹んでいますが、縦じわはほとんどありません。


 葉身細胞は細長い菱形で厚壁、中央に1個のパピラがあります(上の写真)。


 同属でよく似たハイヒモゴケと比較してみました(上の写真)。 上は左がハイヒモゴケ、右がコハイヒモゴケです。 和名のとおり、後者の方が茎の幅がほんの少し狭く、葉は少し小さく、葉先の細く伸び出している部分も後者の方が短いようです。 葉の縦じわは前者の方がはっきりしています。 なお、前者は2016年10月の標本のため、緑色の色素が少し少なくなっています。


 コハイヒモゴケとハイヒモゴケの翼部を比較してみました。 上がコハイヒモゴケで、下の写真がハイヒモゴケです。 倍率は同じにしています。


 コハイヒモゴケの翼部の細胞は小さい長楕円形、ハイヒモゴケの翼部の細胞は線形で、平凡社の図鑑に書かれていることが確認できました。 全体的にもハイヒモゴケの細胞の方が少し大形のようです。

 コハイヒモゴケ:2019.6.12. 神戸市北区 道場
 ハイヒモゴケ :2016.10.12. 貴船(詳細はこちら)


2019-06-20

コウヤケビラゴケ


 写真はコウヤケビラゴケ Radula kojana のようです。 湿った崖に育っていました。 背片は長さ 0.6~0.7mmほどで、ゆるく重なり、全縁で鋭く尖っています。


 上は腹面から撮っています。 キールが弓型に張り出しています。 無性芽は見られませんでした。平凡社の図鑑には、「無性芽は葉縁に豊富。」と書かれていますが、生育環境や時期的なものも関係しているのかもしれません。


 腹片の基部は茎を覆っていません。


 上は葉身細胞です。 多くのケビラゴケ属の油体は各細胞に1つですが、本種の油体は各細胞に2~3個見られます。

(2019.6.12. 神戸市北区 道場)

2019-06-19

交尾中のアオマダラタマムシ



 写真はアオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilis です。 交尾中のためか路上で動かず、楽に撮影できました。
 アオマダラタマムシの幼虫は、衰弱した広葉樹の材を食べ、2年かけて育ちます。 荒れた林が増えたために増加しているような気もします。

(2019.6.12. 神戸市北区 道場)