2018-06-20

タニゴケ


 写真はタニゴケ Brachythecium rivulare でしょう。 沢沿いの水飛沫のかかる濡れた岩上に育っていました。 フラッシュを使っていますので奥が暗くなっていますが、写真の左上は水面です。
 平凡社の図鑑では分布は北海道~九州の湿った岩上となっています。


 上がタニゴケの育っていた場所です。


 平凡社の図鑑には「茎はしばしば多くの鞭枝を出す。」とありますが、1枚目の写真を見ても、鞭枝らしきものは見あたりません。 たぶん時期的なものだと思います。


 二次茎の葉の長さは2mmあまりです。


 上は二次茎の茎葉です。 茎葉は卵形で深く凹み、中肋は葉の長さの2/3ほどです。 翼部には大きな矩形の細胞が明瞭な区画を作っています。


 上は葉身細胞で、線形です。


 上は翼部の細胞です(深度合成しています)。

(2018.5.31. 青森県十和田市)

2018-06-19

フジハイゴケ



 写真はフジハイゴケ Hypnum fujiyamae のようです。 倒木上に育っていました。 和名の「フジ」は種小名からしても富士山のようですが、分布は北海道~九州の山地ということです。
 雨に濡れて光っているせいで、葉の縦じわがよく分かります。


 不規則な羽状に少数の枝が出ています。


 多くの葉の葉先は弱く鎌状に曲がっています。


 葉は卵状披針形です。 上の写真のように、葉縁の下半部が反曲している葉が多くありました。 また葉の上部には小歯が並んでいます。


 翼部の細胞は大きくて薄壁で、褐色または透明です。


 葉身細胞は線形です(上の写真)。

(2018.5.31. 青森県十和田市)

2018-06-18

イトラッキョウゴケとイトラッキョウ


 写真はイトラッキョウゴケ Anoectangium thomsonii のようです。 土を被った岩上に生育していました。 平凡社の図鑑では、分布は中部地方となっていますが、中部地方から四国・九州にかけても分布しているようです。


 葉の長さは1~1.5mmほどです。


 中肋は葉長に達するか短く突出しています。 葉は全縁で、パピラが光を乱反射するため、透過光では暗く見えます。



 葉身細胞は方形で、多数の小さなパピラが密生しています。

(2018.6.13. 高槻市 川久保渓谷)

 ところで・・・


 上は紀伊半島などに分布するキイイトラッキョウ Allium kiiense と、下は本来長崎県に分布するイトラッキョウ A. virgunculae の花ですが、少し園芸的に改良されているように思います。 どちらも 2016.11.19.に大阪の「咲くやこの花館」で撮影したものですが、どこがどうイトラッキョウゴケに似ているのでしょうね。




2018-06-17

オオクラマゴケモドキ


 岩上を垂れ下がる写真のコケは、少しコハネゴケが混じっていますが、オオクラマゴケモドキ Porella grandiloba でしょう。 背景となっている灰緑色のものは地衣類です。


 背片の長さは1~1.5mmです。


 上は腹面から撮ったものです(深度合成しています)。 背片は舌形で、全縁で円頭です。 腹片は長舌形で、長さは幅の3倍ほどあります。 腹葉は舌形で、幅は茎径の1~1.2倍、長さは幅の約2倍です。 腹片も腹葉もほぼ全縁です。
 下も同様の深度合成した写真ですが・・・


 上の写真のほぼ中央から左右に短い枝が出ていて、その枝につく腹片の葉縁には歯が見られます。 よく見ると、背片にも少し歯がありそうです。 もしかしたら、この枝には生殖器(造卵器または造精器)が作られ、そのような場所では、葉の形態が他の場所とは少し異なるのかもしれません。


 上は葉身細胞です。

(2018.6.13. 高槻市 川久保渓谷)

2018-06-16

ヒメタマゴマイマイ


 上はヒメタマゴマイマイ Satsuma pagodula です。 飼育用のプラスチックケースに湿度を保つために入れてある湿った新聞紙の上を歩いていますが、新聞紙の活字がスケール代わりになっています。
 大阪府下では比較的よく見られる種のようですが、局所分布する希少種で、環境省の準絶滅危惧種になっているようです。

(2016.6.26. 堺自然ふれあいの森)