2026-02-16

ホウキゴケ

 Fさんが屋久島から持ち帰られたコケを少し分けていただきました。 上はそのうちの1種で、ホウキゴケ Solenostoma comatum です。 採集されたのは2月7日のようですが、ちょうど胞子体が伸び出す時期だったようで、たくさん胞子体がついていました。
 葉を含めた茎の幅は2~4㎜、葉は長い舌形で、円頭(~亜切頭)です。

 上は腹面から撮っています。 赤褐色の仮根が茎から出ています。 仮根は多いのですが、束になったり、茎に沿って流下したりしていません。

 上は葉身細胞で、トリゴンは小さく、薄壁です。 油体は2~4個の楕円体~うじ虫形のものと小さなものが混じっています。 なお、小さな油体が見られないことも、しばしばあるようです。

 葉身細胞の表面には著しいベルカ(微小突起)が見られます。 上の写真のように葉緑体や油体が無くなった細胞を見ると、よく分かります。

 ペリギニウムはよく発達しています。 本来は断面を作って確認すべきですが、最内側の雌苞葉が造卵器の位置より上についていることは、外見からも想像できます。
 花被はねじれず、3稜です。 上の写真では分かりにくいのですが、左右(写真では上下)と手前に稜が張り出しています。

 上は花被の先端です。

 上は開裂した蒴です。 私は、ソロイゴケ科の胞子体は蒴柄の太さに比較して蒴の裂片が比較的小さいという印象を持っているのですが、どうでしょうか。

 上は蒴壁を内側から撮っています。

 上は胞子と弾糸です。

 上は茎の断面です。

2026-02-15

ミズスギモドキ

 上の写真、いろいろなコケが混じっていますが、いちばんたくさん写っているのはミズスギモドキ Aerobryopsis subdivergens でしょう。

 1枚目の写真では分かりにくいのですが、黒くなった古い部分は長く伸びています。 上の写真も、もっと長かったのですが湿っていたこともあって、切れてしまいました。 平凡社では、茎はときに30cm以上に達するとあります。

 葉は扁平についています。 葉は薄く透明感があります。


 葉を茎から外すと、上の2枚の写真のように、しばしば片方の基部が折れ曲がっています。 葉が茎にどのようについているのか見たかったのですが、葉が密に重なっているうえに破れやすく、確認できませんでした。
 中肋は葉長の3/4前後の長さです。

 上は葉先です。 葉先の細胞にはパピラはありませんが・・・

 葉の中央部の葉身細胞は長い菱形~六角形で、中央に1個のパピラがあります。 細胞壁は厚く、よく見ると所々にくびれがあります。
 葉縁にはほぼ全周に細かい歯があります。

 翼部の細胞は矩形~方形です(上の写真)。

(2026.2.11. 兵庫県宝塚市切畑)

こちらには崖から垂れ下がった本種を載せています。

2026-02-12

訂正のおしらせ

 2021年11月5日にイボタチヒダゴケとして載せていた記事を、タチバヒダゴケに変更しました。
 

2026-02-03

ピンゴケの1種


 写真はピンゴケの仲間( Calicium sp.)でしょう。 スギの樹皮についていました。
 固着地衣類で、地衣体は灰白色、黒褐色のピンのように見えるのは子器です。子嚢菌門 チャワンタケ亜門 チャシブゴケ菌綱に分類されています。

(2026.1.14. 京都府八幡市)

2026-01-28

ヒメクラマゴケ

 写真はヒメクラマゴケ Selaginella heterostachys だと思います。 薄暗い谷筋の岩壁から垂れ下がっていました。 分布は伊豆以西の暖地です。
 腹葉は大きくて側方に開出し、背葉は小さくて茎に圧着し、前方を向いています。

 上は腹葉です。 全縁に細かい鋸歯があります。

 上は腹葉の断面で、維管束があります。

 上は腹葉の葉先です。

(2025.11.15. 貝塚市 大阪府立少年自然の家)