写真はオタルヤバネゴケ Cephalozia otaruensis でしょう。 2026.7.20.に京都府の美山町で撮影しました。 本種は雌雄異株ですが、上の写真の群落には雌株も雄株も混じっていました。
上は雌株です。 ルーペでは花被の存在に気づきませんでしたが、実体双眼顕微鏡で探すと、あちこちで茎または短枝に頂生していました。
上の写真ではいろいろな方向に茎が伸びていますが、これらの茎は全てつながっていることを確認しています。 茎には葉を密につけた太い茎(b)と、群落内部を走る長く伸びて葉をまばらにつけた細い茎(c)が見られます。
a~cの拡大を下に載せます。
上はaの花被です。 花被の口部は長毛状です。 花被を取り巻く雌苞葉の裂片は狭三角形で全縁です。
上は上段がbの、下段がcの拡大です(上段と下段で倍率は異なります)。 いずれも葉は茎に対して横に近い斜めについています。
下段では茎のどの細胞に葉がついているのか、よく分かりますが、上段ではこの葉と茎の関係が分かりませんので・・・
上は太い茎の葉のつき方を示すために、深度合成したものです。ゴミが多いなど分かりにくい写真になってしまいましたが、太い茎(b)でも細い茎(c)でも、ミジンコヤバネゴケなどのマルバヤバネゴケ属とは異なり、左右の葉の背縁基部の間に表皮細胞の列はありません。
茎の表皮細胞は、b・c 共に 35-70 × 35-45μmでした。
上は葉身細胞で、大きさは 45-65 × 20-50μmです。
上は茎の横断面です。 1層の大きく薄壁の表皮細胞の内側に、小さく薄壁の髄細胞があります。
上は造精器をつけた雄株です。 それぞれの造精器は1枚の雄苞葉に保護されているため、上の写真のような横からの撮影では、造精器は雄苞葉を通してしか見ることができません。
上は雄苞葉から取り出した造精器です。
◎ こちらには本種の葉1枚の形がよく分かる写真を載せています。 また上は受精前の様子ですが、受精して若い胞子体ができている12月の状態をこちらに、その胞子体が成熟し、胞子を散布している3月の様子をこちらに載せています。

































