2026-02-03

ピンゴケの1種


 写真はピンゴケの仲間( Calicium sp.)でしょう。 スギの樹皮についていました。
 固着地衣類で、地衣体は灰白色、黒褐色のピンのように見えるのは子器です。子嚢菌門 チャワンタケ亜門 チャシブゴケ菌綱に分類されています。

(2026.1.14. 京都府八幡市)

2026-01-28

ヒメクラマゴケ

 写真はヒメクラマゴケ Selaginella heterostachys だと思います。 薄暗い谷筋の岩壁から垂れ下がっていました。 分布は伊豆以西の暖地です。
 腹葉は大きくて側方に開出し、背葉は小さくて茎に圧着し、前方を向いています。

 上は腹葉です。 全縁に細かい鋸歯があります。

 上は腹葉の断面で、維管束があります。

 上は腹葉の葉先です。

(2025.11.15. 貝塚市 大阪府立少年自然の家)

2026-01-25

ツチノウエノコゴケ

 写真はツチノウエノコゴケ Weissia controversa でしょう。 寒さはまだまだこれからですが、このような姿と色は春を予感させてくれます。

 葉は披針形~線状披針形です。 上の写真では葉の長さは2㎜、茎の長さは 1.5mmですが、平凡社では葉の長さ2~3㎜、茎の長さは5㎜に達するとありますから、少し小形のようです。
 上の写真でも葉先が少し曲がりかけていますが・・・

 乾くと上のように強く卷宿します。

 上は葉先を腹面から撮っています。 中肋は短く突出しています。 葉縁は狭く内曲しています。

 上は葉のほぼ中央を腹面から撮っていて、写真上方が葉先の方向です。 葉身細胞には背腹両面にパピラがあり、写真の中央が中肋ですが、中肋の腹面にもパピラがあります。

 上は葉身細胞です。 各細胞には4~6個のパピラがあります。

 葉の基部近くの細胞にはパピラはありません(上の写真)。 細い中肋です。

 上は葉のほぼ中央の横断面です。 Weissia(コゴケ属)では背腹両面にステライドがあります。

 上は茎の断面です。 中心束があり、薄壁透明の表皮細胞がやや発達しています。

(2026.1.14. 京都府八幡市)

◎ ツチノウエノコゴケはこちらにも載せています。 またこちらでは本種の蒴や蒴歯の様子などを載せています。

2026-01-19

サビイロハタケゴケ

 写真はサビイロハタケゴケ Riccia nigrella でしょう。 本種は外来種と考えられます。 国内では1997年に皇居内で初めて採集され(河濟・古木2005)、関東地方では、近年になって爆発的に増えており(古木2020)、環境省の「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」に載せられています。 上も2026年1月に東京都文京区本郷で撮った写真です。
 色は季節によって変わるようですが、観察した時点では、若い部分は光沢のある鮮緑色で、古くなると和名のように鉄さび色に変色していました。 溝は線状で、胞子体のある所の表面が白っぽい褐色に変色して円形の銭斑になっています。 また、あちこちに見られる赤紫色の点は、造精器から精子が出て来る所でしょう。

 上は腹面から撮っています。 最小目盛は 0.1㎜です。
 腹鱗片は縁からはみ出さず、瓦状に重なっています。 腹鱗片は縁が淡い色で、中央部は黒紫色をしています。 学名の種小名 nigrella(黒色) は、この腹鱗片の色に由来しているようです。
 下は上と同じものの乾いた状態を背面から撮っています。

 乾燥すると、葉状体の縁が背面側に捲れて上のような姿になります。

 上は葉状体の断面です。 葉状体内部に気室は無く、上半部は櫛の歯状に細胞が並んでいます。 葉状体表層の1層は矩形の透明な細胞からなっています。
 上の写真では葉状体内部に造精器が写っています。

 上は葉状体断面の上部です。 本種と同様に葉状体中央に線状の溝があるミドリハタケゴケやウロコハタケゴケは、表皮細胞の上部が消失し杯状になるという特徴がありますが、本種の表皮細胞はきれいに宿存しています。

 造精器の場所を狙って葉状体の断面を作成してみました(上の写真)。 造精器は仕切られた部屋の中にあり、精子の出る通路周辺は赤紫色に色付いています。

 上は胞子です。 遠心面はほぼ均一の大きさの(8~)10~12(~14)個の網目があります。

2026-01-16

シロクサリゴケ

 写真はシロクサリゴケ Cheilolejeunea xanthocarpa でしょう。 樹幹についていました。 分布は平凡社では愛知県以西となっています。

 背片は長さ約1㎜、卵形で円頭、腹縁~葉先が著しく内曲しています(上の写真)。

 腹葉は茎径の3~4倍幅、広卵形で全縁です(上の写真)。


 腹片は矩形で背片の約1/2の長さがあるのですが、内曲した背片復縁の裏側に隠れてしまっており、ぼんやりとしか見えません。 上の2枚の写真では、赤い直線で背片の先端の位置を、矢印で背片の存在する範囲を示しました。

 上は葉身細胞です。 各細胞にはブドウ房状の油体が1個あります。

(2025.11.15. 大阪府貝塚市 秋山川遊歩道)

◎ シロクサリゴケはこちらにも載せています。