写真はトウヨウネジクチゴケ Barbula indica だと思います。 法面の濡れた窪みにありました。 上は湿った状態、下は乾いた状態です。
乾くと葉はキールして凹み、ねじれて茎に寄ります。
葉は披針形で、基部は多くのセンボンゴケ科と同様、透明な細胞からなっています(上の写真)。 上の写真では、この透明細胞群が葉縁に沿ってせり上がっているようにも見えますが、多くの葉を見ると、そのようではありません。(上の葉を載せたのは、基部までいちばんよく残っていたからです。)
葉縁は上部で平坦、下部で狭く反曲しています。
上は葉先で、中肋は少し突出しています。
中肋背面の表皮細胞は細胞の上下の両端(=前後の細胞のつなぎ目)に大きなこぶ状のパピラがあります(上の写真)。
中肋腹面の表皮細胞も厚壁で丸みを帯びた長方形です(上の写真)。
上~中部の葉身細胞は方形ですが、細胞の輪郭は不明瞭で、C字形のパピラがあります(上の写真)。 上は葉の背面ですが・・・
上は葉の中部の断面です。 パピラは背腹両面に同じようにあります。
上は葉の中部の中肋付近の断面です。 中肋は強く竜骨状となり背面に突き出ています。 ステライドは背腹両面にあります。 中肋の背面にも腹面にもパピラがあります。
葉の下部の細胞は矩形で透明です(上の写真)。
上は葉の下部の断面です。 パピラは無く、葉縁は狭く反曲しています。
上は無性芽です。 葉腋についているはずですが、全部落ちてしまっていました。
上の2枚は茎の断面です。 表皮細胞は分化せず、中心束があります。
(2025.6.29. 貝塚市 秋山川遊歩道)
◎ トウヨウネジクチゴケはこちらにも載せていますし、こちらには蒴をつけた姿を載せています。