2026-05-30

コアミメギボウシゴケ

 写真はコアミメギボウシゴケ Grimmia brachydictyon でしょう。 岩上に広がっていました。 上は乾いた状態、下は上と同じ標本を同じ倍率で撮った湿った状態です。

 葉の長さは1~2㎜で、あちこちの葉先に無性芽の塊がついています。

 上は葉先に無性芽をつけた葉です。 葉縁は中部で多層、下部では1細胞層です。


 上の2枚は葉先です。 葉は弱く折り畳まれていますが、葉の上部が溝状になることはありません。

 上は葉身細胞です。 細胞壁は厚く、横壁と縦壁はほぼ同じ厚さです。

 上は葉の横断面で、中肋背面に翼があります。

 葉身細胞は平らで、中部の葉縁は2細胞層です(上の写真)。

(2026.5.16. 京都市)

◎ コアミメギボウシゴケはこちらにも載せています。

2026-05-28

ナガヒツジゴケ

 公園の遊歩道脇に、トヤマシノブゴケ、コツボゴケ、コバノチョウチンゴケ、ジンガサゴケ、ヒメタチゴケなどに混じって、ナガヒツジゴケ Brachythecium buchananii がありました。

 茎は這い、不規則な羽状に多くの枝を出しています(上の写真)。 ただし・・・

 上のような長く伸びた枝だけを見ると、ひも状で、枝分かれが少ないように思ってしまいます。

 上は茎葉で、深い縦じわがあります。 中肋は葉の中部または葉長の2/3くらいで終わっています。

 上は葉身細胞です。

(2026.5.16. 京都市)

◎ ナガヒツジゴケはこちらこちらにも載せています。

2026-05-27

ヒロハツボミゴケ

 

 写真はヒロハツボミゴケ Jungermannia exsertifolia だと思います。 奈良県の洞川産の標本を少し分けていただきました。 所々に造精器がついています。

 上は背面から撮っています。 上のような茎の上部では葉はほぼ横についていますが、茎の株では葉は斜めにつきます。
 下は上と同じものの腹面です。

 仮根は多くありません。

 葉は円頭です(上の写真)。

 葉身細胞は薄壁です。 葉先近くの細胞には、上の写真のように油体もベルカもほとんど見られませんでした。


 上の2枚は基部近くの葉身細胞です。 油体は各細胞に2~3個あり、紡錘形で微粒の集合です。

 上は基部近くの葉身細胞の表面にピントを合わせて撮った写真で、ベルカが確認できます。

 上は葉腋についた造精器です。 造精器だけを分離して観察してみましたが、精子は未だできていませんでした。

◎ ヒロハツボミゴケはこちらにも載せています。

2026-05-25

ムカシヒシャクゴケ

 奈良県の川上村で採集されたムカシヒシャクゴケ Scapania ornithopoides を少し分けていただきました。 北海道、本州の主に亜高山帯や四国などの古生代の地層を有する地域に分布し、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。

 上は、葉腋にある鱗片状の毛葉が分かるように、数枚の背片を取り除いています。

 Scapania(ヒシャクゴケ属)で、キールが無ければ、つまり背片と腹片がつながっていなければムカシヒシャクゴケに決まりです。 しかしつながっていることは簡単に証明できても、つながっていないことを明確に示す写真は難しい。 上の写真もキールはどこにも無いように見えますが、茎で見えない所もあります。

 どうにかしてキールが無いことが分かる写真を撮りたいと、いろいろやっているうちに、背片にも腹片にも裂け目が入ってしまいました・・・。

 上は腹片の葉縁です。 腹片にも背片にも葉縁には多くの歯があり、その先端は狭三角形の細胞からなっています。

 上は背片の先端近くの細胞で、とても大きなトリゴンがあります。

 上は腹片の中央やや基部寄りの細胞です。 今回は腹片にも背片にも明瞭なベルカは確認できませんでした。

◎ ムカシヒシャクゴケはこちらにも載せています。

2026-05-24

トガリゴケ

 岩上にあった写真のコケ、トガリゴケ Brotherella fauriei のようです。 2025.9.29.に福岡県の野河内渓谷(標高350m)で見たコケですが、S氏の助けを得て、やっと同定できました。


 植物体はやや扁平で、密に分枝しています(上の2枚の写真)。 葉を含めた茎の幅は約1mmです。

 葉には中肋が無く、翼細胞は列を作っています(上の写真)。 葉先は比較的短く尖っています。


 多くの葉の葉先は、上の2枚の写真のようにねじれています。 葉縁の鋸歯は目立ちません。


 翼細胞は大きく、連続した列になっています(上の2枚の写真)。

 葉身細胞の多くは、長さ 60~80μmです。