ラベル 31 昆虫1 バッタ目 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2018-02-15

オオカマキリの卵鞘


 寒風に揺れる枝にオオカマキリの卵鞘(=卵のう)がありました。

 堺自然ふれあいの森では、葉も枯れて褐色になったススキ群落の中などにも、よく似た色のオオカマキリの卵鞘がよく見つかります。 昔はスリムな体でどうして幅広の卵鞘を作れるのか不思議に思いつつも、保護色になる場所をうまく選んで産卵していると思っていたのですが・・・。

 下は11月上旬に撮ったオオカマキリの産卵の様子です。



 上は腹部の端付近を撮ったものです。 2枚の写真を比較すると、幅広の卵鞘は産卵管の向きを変えながら泡を噴出させて作っているようですが・・・


 産卵している周囲は緑色です。 産卵場所の周囲がこれから枯れて卵鞘が目立たなくなることをオオカマキリが理解して産卵しているとは、とても思えません。
 オオカマキリと体形のよく似たチョウセンカマキリの卵鞘も、細長い形ですが、やはり細い枝や茎でよく見つかります。 これに対して・・・


 上は体の幅が広いハラビロカマキリの卵鞘です。 ハラビロカマキリの卵鞘は、上のような木の幹や建物の壁面などでよく見られます。

 オオカマキリは、体形に合っていて脚で基物を挟み易い細長いものを選んで産卵しているだけではないでしょうか。

(注) カマキリ目に分類される種数は少ないため、右の「ラベル」では便宜上バッタ目に含めています。

◎ オオカマキリの孵化の様子や孵化後の卵鞘の断面などをこちらに載せています。


2017-11-29

クビキリギス


 大顎をいっぱいに広げたクビキリギス Euconocephalus thunbergi、噛まれると痛そうです。 顎の力は強く、噛みつかれた状態で強く引っ張ると首が引きちぎれるのが和名の由来です。 口の周囲が赤いことから「血吸いバッタ」の俗称もありますが、食性は雑食であるものの、植物食の傾向が強く、強力な顎は種子などを食べることにも役立っているようです。


 とまっている姿勢は、いつも上のようで、尖った頭部の頂を前に突き出し、下を向いているように見えます。
 バッタ・キリギリスやコオロギの仲間は秋に産卵して死んでしまうイメージが強いのですが、このクビキリギスなどは夏に孵化して秋に成虫になり、そのまま越冬して翌年の春に交尾・産卵します。 ですから、写真の個体も新鮮です。


 新鮮な個体であっても、昆虫は変温動物です。 温度が低いと活動は鈍ります。 写真の個体も容易に捕まえることができ、上の写真も葉にとまらせて撮ったのですが、飛んで逃げたくても体の自由がきかないようで、さかんに震えて体温を上げようとしているようでした。

(2017.11.28. 堺自然ふれあいの森)

 クビキリギスの体色は、上のような緑色の他に、褐色の個体もいます。 こちらには褐色の個体や、体色が終齢幼虫時代の湿度で決まることなどを載せています。

2017-10-24

クルマバッタモドキとイボバッタ


 上の写真、雌雄のようにも見えますが、全くの別種で、左中央がクルマバッタモドキ Oedaleus infernalis で、右と奥がイボバッタ Trilophidia japonica です。 たまたま保護色になる場所で、私を意識して目立たないように動かないだけのようです。 並んでくれていると、大きさの比較にはいいですね。

(2017.10.9. 堺自然ふれあいの森)

2017-10-19

「伏せ」の姿勢のヒメカマキリ



 ナスの葉の上にヒメカマキリ Acromantis japonica がいたので、撮ろうとカメラを近づけたとたん、パッと上の写真のような「伏せ」の姿勢をとりました。
 ハナカマキリ科に分類されているヒメカマキリは、よく見るカマキリ科のカマキリたちとは違った行動を見せてくれます。 こちらには偽死の様子を載せていますが、上のような「伏せ」の姿勢を取るカマキリ科のカマキリは見たことがありません。


 横から撮ろうと横に回ると、伏せたまま、顔だけ横を向けました。


 普段は上のような姿勢です。 1~2枚目の写真のヒメカマキリも、カメラを向けるまではこのような姿勢でした。

(2017.10.9. 堺自然ふれあいの森)

※ カマキリの仲間はカマキリ目の昆虫ですが、右のラベルでは昆虫だけ項目が多くなることを避けるため、バッタ目に入れています。 両者はそれほど近縁ではありませんが、「鎌を持つキリギリス」がカマキリの語源という説もありますので・・・。

2017-08-22

ヤブキリ


 写真は藪(やぶ)に棲むキリギリス、ヤブキリ Tettigonia orientalis です。 背面には頭頂から翅の先まで褐色の筋が見られます。
 写真はオスで、メスは真っ直ぐに伸びる長い産卵管を持っています(こちら)。


 樹上生活で枝から枝へと渡り歩くのに適した長い後脚、獲物を捕らえるのに適した鋭い刺を持つ前脚と中脚、それに活動は夜が中心ですから、長い触角は夜の闇を探るのに役立つのでしょう。


(2017.8.22. 堺自然ふれあいの森)

2017-08-16

アオマツムシの幼虫


 上のようなバッタ目がいました。 翅が全く無く、カネタタキ類のメスかとも思いましたが、産卵管がありません。 悩みながら他にもいないかと近くに落ちていた葉をめくると・・・


 裏向きで落ちていた葉に上のような虫がくっついていました。 小さな翅があり、幼虫でしょう。 1枚目の写真のものとは体の色も違うし、最初は別種だと思いましたが、触角や腹部の様子がよく似ています。
 1枚目のものと2枚目のものが同種で2枚目の方が齢が進んでいるとすれば、成虫は緑色のはずです。 そんなことを思いながら見ていると、この触角を揃えて伸ばし後脚も伸ばして葉にくっついている姿はどこかで見た気がしてきました。 そこでやっとアオマツムシの幼虫ではないかと気づきました。 帰宅後に調べてみると正解のようです。

(2017.8.8. 堺自然ふれあいの森)

 下は以前撮ったアオマツムシ Truljalia hibinonis のメスです。 長い触角は揃えて体の下に入れています。

2014.9.26. 堺自然ふれあいの森


2016-09-20

エンマコオロギの幼虫



 写真のコオロギの仲間の幼虫、白い横帯が目立ちます。 白い横帯のある幼虫はエンマコオロギだけなのか、少し不安が残りますが、エンマコオロギの成虫がたくさんいた所にたくさんいた幼虫ですので、たぶん間違いはないと思います。
 成虫の図鑑はいろいろありますが、幼虫だけの充実した図鑑もあれば便利なんですが・・・

(2016.9.16. 堺自然ふれあいの森)

2016-09-18

クサヒバリ(メス)


 上はクサヒバリ Svistella bifasciata のメスです。 2016.9.16.に堺自然ふれあいの森で撮りました。


 上は以前、11月上旬にオオカマキリの卵のうの上にいるところを撮ったものです。 前に真上から撮ったクサヒバリのメスを載せていますが(こちら)、この時も今回の1枚目も後脚の腿節ではっきり写っているのは内側です。 後脚腿節内側の黒い紋も特徴の1つなのですが、上の写真の後脚腿節外側の二本の黒条は分かり易い特徴です。

2016-09-16

ウスバキトンボを捕らえたオオカマキリ



 オオカマキリがウスバキトンボを捕らえていました。 たぶんウスバキトンボがオオカマキリに気付かずに近くにとまったのか、とまっている所にそっと近づいたのでしょうが、捕らえるところを見たいものです。
 オオカマキリとチョウセンカマキリはよく似ていますが(違いはこちら)、写真のものはオオカマキリであることは確認済です。

(2016.9.3. 堺自然ふれあいの森)

2016-09-10

トゲナナフシ

 9月3日、堺自然ふれあいの森でトゲナナフシ Neohirasea japonica を見ましたが、何度か見ているので、そのままスルー。 帰宅後に確認すると、トゲナナフシはブログに幼虫を載せているだけだったようです。 そこで、堺自然ふれあいの森のすぐ近くで昨年の10月9日に撮ったトゲナナフシの写真を載せることにしました。 公共トイレの壁の床から 1.5mほどの所にとまっていたもので、林の林床にいるトゲナナフシがこのような所にいることも珍しいことです。



 前脚と触角を揃えて前方に伸ばしています。 褐色で、体には多数の鋭い刺があります。


 背景がトイレの壁ではおもしろくないので近くの杭の上に乗せてみたところ、触角と前脚は、前に突き出したままではありますが、離れてくれたので見やすくなりました。



2016-07-12

ケラ


 写真はケラ Gryllotalpa orientalis です。 土の中にトンネルを掘って生活する昆虫で、目にする機会も少ないのですが、写真は田植後間もない田で、土が掻き回されて追い出され、張った水に浮かび畦につかまっていたものです。
 系統的には大きくかけ離れているほ乳類のモグラに前脚などがよく似ているのは、似た生活をすることで形態も似てくるという「収斂進化」の例としてよく挙げられます。


 背側を見ると、翅が発達していないように見え、飛べないように思われがちですが、発達していないのは前翅だけで、折りたたまれた長い後翅を持っていて、よく飛ぶこともできます。

(2016.6.23. 堺自然ふれあいの森)

2016-06-27

ヤスマツトビナナフシの異形再生


 上は脱皮を終えて間もないヤスマツトビナナフシで、右の中脚にはまだ脱皮殻がくっついています。 長い触角は前脚と揃えて前方に伸ばしていますが・・・


 頭部を拡大してみると、左の触角の位置に何か変なものがあります。 これをよく見ると、節があり、先端部分には1対の黒っぽい小さな爪があり、爪の間にはプニョプニョした爪間板(しかんばん)があります。 つまり小さくはありますが、脚のつくりになっています。
 上の写真は、堺自然ふれあいの森で行われた実験なのですが、触角を切っておいたところ、脱皮して、触角の位置に脚が再生してきているのです。 このように、本来とは異なるものが再生してくる現象を「異形再生」と呼んでいます。
 生態的な意味からすれば、ナナフシの仲間の脚は失われ易く、脚を再生させようとする潜在能力が高いために、触角の位置にまで足を再生させてしまった、ということなのでしょう。

2016-06-24

タイワントビナナフシ


 写真はタイワントビナナフシ Sipyloidea sipylus です。 「堺自然ふれあいの森」の「森の館」で撮影させていただきました。
 「トビナナフシ」というだけのことはあって、短い距離を飛ぶことができるのですが、上の写真では腹部を下げているので、翅の存在がよく分かります。


 上はぶら下がっているタイワントビナナフシの頭部付近を拡大したものです。

 この個体は「堺自然ふれあいの森」で昨年幼虫としてみつかりました。 下は昨年9月22日に撮影させてもらった幼虫の翅の様子です。 不完全変態ですので、体形は親とあまり変わりませんが、短い翅です。


 飼育していたところ、成虫となり、10月末から卵を産みはじめ(タイワントビナナフシは単為生殖を行います)、卵を産み続けながら冬を越したようです。 産んだ卵は350個ほどになりましたが、まだまだ元気な様子で、体からはゴボウのようなにおいを発し続けています。
 この卵が孵化しはじめたと聞き、6月14日に写真を撮らせていただきました。



 上がその孵化した幼虫です。 体長は2cmほどです。


 上は孵化後の卵殻です。

 タイワントビナナフシの日本の分布は、Wikipediaによれば九州と南西諸島になっていますが、ネットで検索してみると、本州でも北陸・関東に至るまで、稀にみつかっているようです。
 堺自然ふれあいの森ではこれまでにも数頭みつかっていますので、温暖化の影響で分布を広げているのかもしれませんし、保護色で擬態の“名人”のナナフシの仲間のことですから、いてもなかなかみつからないことも関係しているのでしょう。

※ ナナフシの仲間はバッタ目とは別のナナフシ目に分類されますが、種類数が少ないため、便宜上、右の「ラベル」ではバッタ目に入れています。

2015-10-03

タンボコオロギ(メス)




 名前のとおり湿り気味の草地によくいるコオロギです。 イチモンジコオロギという別名があるように、複眼の間に特徴的な一文字の白斑があります。

(2015.9.22. 堺自然ふれあいの森)

2015-09-29

クマスズムシ(オス)



 写真はクマスズムシ( Sclerogryllus punctatus )のオスでしょう。 名前に「スズムシ」とついていますが、スズムシがマツムシ科であるのに対し、クマスズムシはコオロギ科です。


 あまり動かないと思ったら、右の後脚にダメージを受けていたんですね。

(2015.9.18. 堺自然ふれあいの森)

2015-08-16

アシグロツユムシの幼虫



 写真はアシグロツユムシの幼虫でしょう。 以前成虫を載せています(こちら)が、幼虫の後脚脛節は成虫のようには黒くなく、それよりも後脚の長さが目立ちます。 触角の節に白い部分があるのも、成虫と共通した分かり易い特徴でしょう。
 成虫よりも黒い斑紋が目立ち、人の目には美しいのですが、自然界では迷彩模様として役立っているのでしょうか。


 触角はとても長く、全部を入れようとすると、上のような写真になってしまいました。

(2015.8.7. 富田林市 錦織公園)

2015-08-02

ヤスマツトビナナフシ


 写真はヤスマツトビナナフシです。 上の写真、なかなかいい顔をしています。 目の上のたんこぶならぬ眼の下のダニはいただけませんが・・・。



 ナナフシの仲間はこれまでに、ナナフシモドキエダナナフシ、それに一昨日のトゲナナフシを載せてきましたが、どれも翅が退化し、成虫になっても飛ぶことはできません。 それに対して今回のトビナナフシは、退化傾向にはあるものの翅があり、短い距離なら飛ぶことができます。
 日本に生息するトビナナフシは、ニホントビナナフシ、シラキトビナナフシ、ヤスマツトビナナフシ、タイワントビナナフシ、リュウキュウトビナナフシの5種ですが、後の2種は大阪付近では見ることはできません。 残りの3種の分かり易い区別点としては、ニホントビナナフシは頭や胸部の側方に黄色い線があり、ヤスマツトビナナフシにも胸部背面に細い1本線がありますが、シラキトビナナフシの胸部背側には、もっと明瞭な茶色の1本線が入っています。 また前翅の付け根部分の模様にも違いが見られます。


 ナナフシの仲間は動かずに木に紛れることで身を守ります。 ヤスマツトビナナフシはイザという時には飛びますし、その前段階として走る速度も比較的速いのですが、やはり全く動かないで身を守ろうとする場合も多いようです。
 オリンパスのカメラ TG-3 や TG-4 はカメラが深度合成してくれる機能を持っています。 動かないことは深度合成には好都合なので、手持ち撮影で深度合成してみたのが上の写真です。 手前から奥までピントが合っていますし、背景も比較的よく写っています。 ただ、アリがいて歩きだしたのに気付かず撮ってしまったので、1頭のアリが数頭のアリになってしまいました(上の写真)。
 上の写真は上記の意味では失敗写真かもしれませんが、静と動が写った写真として、また上記カメラがアリの歩く程度の速さで8枚の写真を撮って合成している証拠となる意味ではおもしろい写真ですので載せておきます。

(2015.7.30. 堺自然ふれあいの森)

こちらにはヤスマツトビナナフシの異形再生の様子を載せています。