写真はタイワントビナナフシ Sipyloidea sipylus です。 「堺自然ふれあいの森」の「森の館」で撮影させていただきました。
「トビナナフシ」というだけのことはあって、短い距離を飛ぶことができるのですが、上の写真では腹部を下げているので、翅の存在がよく分かります。
上はぶら下がっているタイワントビナナフシの頭部付近を拡大したものです。
この個体は「堺自然ふれあいの森」で昨年幼虫としてみつかりました。 下は昨年9月22日に撮影させてもらった幼虫の翅の様子です。 不完全変態ですので、体形は親とあまり変わりませんが、短い翅です。
飼育していたところ、成虫となり、10月末から卵を産みはじめ(タイワントビナナフシは単為生殖を行います)、卵を産み続けながら冬を越したようです。 産んだ卵は350個ほどになりましたが、まだまだ元気な様子で、体からはゴボウのようなにおいを発し続けています。
この卵が孵化しはじめたと聞き、6月14日に写真を撮らせていただきました。
上がその孵化した幼虫です。 体長は2cmほどです。
上は孵化後の卵殻です。
タイワントビナナフシの日本の分布は、Wikipediaによれば九州と南西諸島になっていますが、ネットで検索してみると、本州でも北陸・関東に至るまで、稀にみつかっているようです。
堺自然ふれあいの森ではこれまでにも数頭みつかっていますので、温暖化の影響で分布を広げているのかもしれませんし、保護色で擬態の“名人”のナナフシの仲間のことですから、いてもなかなかみつからないことも関係しているのでしょう。
※ ナナフシの仲間はバッタ目とは別のナナフシ目に分類されますが、種類数が少ないため、便宜上、右の「ラベル」ではバッタ目に入れています。
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