2016-06-22

コハネゴケの造卵器・造精器


 上はコハネゴケ Plagiochila sciophila で、①は葉が取れて茎だけになった部分です。 コハネゴケの葉は取れやすく、時々このような姿になります。
 ②は①とは明らかに様子が異なり、造卵器を包み込んだ部分だと思われます。


 上の写真の中央右に飛び出した茎の先は、1枚目の写真の①とも②とも異なります。 これは造精器を包む苞葉(雄包葉)だろうと思います。 以上、自信の無い書き方をしましたが、その理由は、このようなコハネゴケの造精器や造卵器に関する形態的な記載も写真も、図鑑にもネット上にも見つけることができなかったからです。
 以上がフィールドで撮った写真です。 以下は室内で撮った写真ですが、造卵器をつけたものも持ち帰ったつもりが、持ち帰っていませんでした。 それだけ造卵器をつけたものより造精器をつけたものの方が多かったということで、以下は造精器をつけたもののみになります。


 上は顕微鏡で雄包葉を透かしてみたものです。 気泡のために色が濃くなっている部分もありますが、色が濃く球形の部分が造精器だろうと思います。
 上の写真では透かしてみるためにかなり明るくしていますので、薄い組織は白っぽくなり、ほとんど見えていませんが、左下の赤い円で囲んだ部分は、たまたま包葉が破れ、未発達な造精器が露出しているのではないかと思います。 下はその部分が適正露出でピントが合うようにして拡大し、撮ったものです。


 上の写真を見ると口があるようにも見えますが、プレパラート作成時に離れてしまったもので柄だったのかもしれません。 口か柄かなどいいかげんなことを書いていますが、このブログは学術論文ではありませんので、疑問は疑問のまま、いろんな見たいものを質より量で載せていきたいと思っています。 なお、教えていただくことは大歓迎ですからね。


 なんとかこの部分の様子がよく分かる写真が撮れないかと、いろんな角度からいろんな方法で撮ってみました。 上の写真では造精器と思われるものの1つが半分露出しています。 上で口ではなく柄ではないかと書いた根拠の一つは、上の写真の造精器らしいものに口が見当たらないからです。


 上はプレパラート作成時に離れてしまった造精器らしいものの顕微鏡写真です。

(2016.6.15. 豊能町 初谷)

 コハネゴケは東南アジアに広く分布しています。 日本を含むアジア大陸東側と北アメリカ大陸東側の植生はよく似ていて(こちら)、「そよ風に乗って」ではその具体例としてローレンシャン高原の植物を取り上げていますが、最も類似性が高いとされているのはアパラチア山脈周辺です。
 コハネゴケにそっくりなコケもアパラチア山脈に分布しているようです。 ところがこの種は生殖器官をつけず、葉も落ちないとのことです。



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