写真は石垣についていたタチヒダゴケ科のオオミゴケ Drummondia sinensis です。 胞子を出して空になった蒴に水が入り込んで美しく見えているのはオマケです。
あちこちに取れた帽が引っかかっています。 帽は、鐘状ではなく、僧帽状です。
上の2枚は水に濡れていますが、下は乾いた状態で、葉は枝に接着しています。
上の写真には帽のついた蒴もありますし、蓋のついている蒴もあります。 蓋には斜めに出る長い嘴があります。 蒴口には短い蒴歯が並んでいます。
上は群落から一部を取り出したものです。 茎は這い、短い枝をたくさん上方に出しています。
上は蒴から胞子が出ているところですが、他の蘚類の胞子と比較すると、とても大きな胞子です。 和名の「オオミ」は「大実」で、この胞子のことではないかと思います。
上は胞子です。 通常、胞子は1細胞ですが、オオミゴケの胞子は多細胞になっていて、長径は 50μm以上もあります。
枝葉は舌形で葉先は急に鈍く尖り、中肋は太くて葉先近くに達しています(上の写真)。
葉身細胞は楕円形で厚壁、長さは内径で8~13μmです(上の写真)。
(2019.5.6. 奈良県 吉野山)
◎ オオミゴケはこちらにも載せています。
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