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2021-09-17

シナチヂレゴケ

 上はコンクリート製の擬木の上のシナチヂレゴケ Ptychomitrium gardneri の群落です。 まだ細い新しい蒴と、胞子を出し終えた古い蒴とが混じっています。

 上は湿った状態です。 葉の長さは3~405mm、古い胞子体の蒴柄は11mmほど、新しい胞子体の蒴柄は黄色で、長さはまだ伸びるかもしれないので測定していません。
 下は上と同じもので、乾いた状態です。

 葉は乾くと上のように内曲してきます。

 上は1枚の葉です。 葉の形だけを見るとナガバチヂレゴケと似ているのですが、それより葉の長さは短く、蒴柄は長く、乾いた時の葉の縮れ方も異なります。

 蒴を拡大してみました(上の写真)。 若い蒴の帽には縦じわがあります。 蒴歯は単列です。

 蒴歯は基部近くまで深く2裂しています(上の写真)。

 蒴歯の表面は微小なパピラで覆われています(上の写真)。

(2021.9.16. 箕面公園)

◎ 本種も胞子の散布は春のようです。 上記の細い蒴が太く生長した12月の状態をこちらに、蒴が空であるのは上と同じですが、まだ新しい胞子体が見られない7月の状態をこちらに載せています。

2020-07-15

シナチヂレゴケ


 コンクリート製の擬木の上に広がるシナチヂレゴケ Ptychomitrium gardneri です。


 湿っている葉は反り気味で、葉縁には鋸歯があります。蒴は長楕円状円筒形です。 前に帽を被った蒴を載せていますが(こちら)、今回は蒴歯が見えています。 蒴歯の長さはナガバチヂレゴケなどに比較すると、かなり短いようです。


 上の写真では、葉の長さは4mmほど、蒴柄の長さは7mmほど(平凡社の図鑑では7~12mm)あります。 少し乾いてきていて、葉は内曲してきています。 多くの場合、蒴は1ヶ所から1本ですが、上の写真のように2~3本出ていることもありました。


 葉は全体として見れば披針形ですが、基部は少し幅広く卵状楕円形で、縦しわがあります。 上部には鋸歯があり、下部は全縁です。


 上は葉先付近です。 中肋は葉頂に達していて、鋸歯は数細胞からなっています。

(2020.7.8. 大阪府 箕面公園)

◎ こちらでは蒴歯の様子をもう少し詳しく見ています。

2020-06-02

ナガバチヂレゴケ@5月



 ナガバチヂレゴケ Ptychomitrium linearifolium の胞子を出し終えた蒴が、蒴歯を大き広げていました。 上の写真は乾いた状態で、葉は巻縮しています。
 こちらには、2月のまだ帽を被っている蒴を載せています。


 育っていたのは上のような石垣です。 本種はこのような乾き気味の岩上を好むようです。


 葉に関しては、こちらで葉身細胞なども観察していますので、今回は上の写真を1枚載せるだけにしておきます。

(2005.5.29. 大阪府豊能郡豊能町 初谷)

2020-05-31

チヂレゴケ属( Ptychomitrium )ブログ掲載種一覧

葉はふつう全縁、帽は深く蒴を覆う

ヒダゴケ P. fauriei 湿っても葉先は折り畳まれている


チヂレゴケ P. sinense


葉の上部葉縁に鋸歯があり、帽は蒴の中ほどまで

葉は広披針形
ハチヂレゴケ P. dentatum


コバノヒダゴケ P. wilsonii


葉は線状披針形で、基部は広くなる
ナガバチヂレゴケ(イシノウエノヒダゴケ) P. linearifolium


シナチヂレゴケ P. gardneri




2020-01-27

ハチヂレゴケ



 上はハチヂレゴケ Ptychomitrium dentatum でしょう。 岩上にありました。 上の写真は12月28日の撮影で、ほとんどの蒴は帽を被っています。 これを採集したまま放置して1ヶ月後に観察しようとしたところ・・・


 ほとんどの帽は外れていて蒴歯が見えていました。 帽がついている蒴も、壺が痩せて帽はブカブカで今にも取れそうになっていました(上の写真)。


 上は蒴柄基部の様子を見るために手前の葉を除去して撮っています。 2枚目の写真は同じ所から胞子体が2本出ています。 本種の胞子体は同じ所から1~3本出るようです。 蒴柄は赤褐色で、長さは2mmほどです。
 チヂレゴケのところやコバノヒダゴケのところなどに書いたように、Ptychomitrium(チヂレゴケ属)は雌雄同株(異苞)で、雄花序は胞子体の基部近くから生じた小さな枝の先につきます。 上の写真でも胞子体の基部の鞘の近くに何かありそうなので、その部分を拡大すると・・・


 雄花序は胞子体基部の鞘の下部から生じているようです。


 上は蓋(左)と帽(右)です。 蓋は帽の中にくっついていたのを外しました。 平凡社の図鑑には「蓋の嘴は蓋の径とほぼ同長」とありますが、よく似たコバノヒダゴケよりは短いものの、やはり嘴の方が長いようです。


 蒴歯は単列16本で、2深裂しています。


 上は胞子です。


 上部の葉縁には鋸歯があります。


 上は葉先付近の様子です。


 上は葉身細胞です。

(2019.12.28. 岡山県井原市)

◎ ハチヂレゴケはこちらにも載せています。

2020-01-25

コバノヒダゴケ(帽や雄花序を中心に)



 写真はコバノヒダゴケ Ptychomitrium wilsonii でしょう。 胞子の飛散が始まった時期のようで、外れかけの帽のついた蒴や、蒴歯が見えている蒴もあります。 ところが、蓋の見えている蒴がありません。
 2枚目の写真の中央右の蒴は、帽が外れかけていて、帽の切れ目からは蒴歯が見えています。 蓋はどこに?


 じつは蓋は帽の内側にくっついていて、ほとんどの場合、帽と一緒に外れてしまうようです。 上の写真は、左は帽の中から取り出した蓋で、右は蓋をくっつけたままの帽です(帽の裂け目から蓋が少し見えています)。 左端の小粒は花粉です。
 蓋にこんなに長い嘴があるのも、本種の特徴の1つです。


 上は濡らして葉を開かせ、手前の葉を取り除いて撮った写真です。 蒴柄の基部近くに赤褐色のものがたくさん見られます。 下はこの部分を拡大したものです。


 Ptychomitrium(チヂレゴケ属)は雌雄同株(異苞)で、雄花序は胞子体の基部近くから生じた小さな枝の先につきます。 赤褐色のものは雄花序だろうと見当をつけ、確認のためにその一つを取って、顕微鏡で観察したのが下の写真です。


 たくさんの葉に囲まれて、その中に何かありそうなのですが、よく分かりません。 そこで、手前の葉を何枚か取り除いて撮ったのが下の写真です。


 上の写真では、精子を出し終えて枯れたようになっている造精器がたくさん見えています。

 コバノヒダゴケは前にこちらに載せましたので、葉の様子などは省いたのですが、確認のため、再度蒴歯のようすを下に載せておきます。


 蒴歯は3~4裂していて、表面は細かいパピラに覆われています。 あちこちにある球形のものは胞子です。

上は胞子です。

(2019.12.28. 岡山県井原市)

◎ コバノヒダゴケの葉や蒴歯の様子などはこちらに載せています。

2020-01-16

コバノヒダゴケ


 写真はコバノヒダゴケ Ptychomitrium wilsonii です。 滝近くの岩上にありました。 上は乾いた状態で、葉は内曲し、茎に接していますが、極端な巻縮は見られません。 縦ひだのある帽は、蒴の 2/3ほどを覆っています。


 上の写真で、胞子体が2本ついていて、上の胞子体は蒴歯が1枚目の写真のように開いていたのですが、霧吹きで湿らせると、蒴歯が閉じてしまいました。
 葉の長さは 3.5~4mmです。 同定には蒴柄の長さも関係するのですが、上の写真では蒴柄の基部が葉に隠されているので・・・


 手前の葉を取り去って測定すると、蒴柄の長さは5mmほどでした。


 葉は卵状長楕円形~舌形で鈍頭です。 葉の上部の葉縁には鋸歯があるのですが、上の葉では分かりにくいので、下は上と同じ株の別の葉の葉先近くです。


 中肋は葉頂に達しています。 複数の細胞からなる鋸歯は葉の中ほどまで続いています。


 葉の上部の葉身細胞は丸みのある方形で、厚壁、平滑です。 所々細胞が重なって見えていますが、その部分は細胞が2層になっています。


 上は蒴を縦に2分割した片方ですので、全体では蒴歯は単列で16本です。 一見は他の多くの Ptychomitrium(チヂレゴケ属)同様、蒴歯は基部まで2裂しているように見えますが・・・


 倍率を上げて蒴歯を見ると、あちこちでくっついているものの、蒴歯は3~4裂していると言って良いでしょう。



 蒴歯の表面は微小なパピラで覆われています。(最後の写真は偏光で撮影しています。)

(2019.12.28. 岡山県井原市)

◎ コバノヒダゴケの蒴の帽や雄花序などの様子はこちらに載せています。