2015-07-10

ジンガサゴケ

 まずはジンガサゴケ( Reboulia hemisphaerica subsp. orientalis )の葉状体の様子から。


 上は葉状体の表(背面)で、気室孔は表面に少し突出しています。 葉状体の縁は写真のような柴紅色になることがよくあります。


 上は葉状体の裏(腹面)です。 広三日月形で柴紅色の腹鱗片が2列についています。 この腹鱗片には1~2本の披針形の付属物が見られます。

 ジンガサゴケは雌雄同株ですが、今回は雌器托の生長を追いかけてみました。 和名はこの雌器托を陣笠に見立てたものです。


 早春、ジンガサゴケの葉状体の上に乗っているような丸いもの(上の写真)、これが若い雌器托です。



 4月になると、雌器托柄が伸び、雌器床は横に広がります。 雌器床を上から見ると3~5浅裂していて、横から見ると雌器床の下に白っぽい包膜が見えます(上の写真)。


 上も4月の撮影で、雌器托柄は急速に長く伸び、雌器床の下には黒い胞子体が見えます。


 上は雌器托を下から見たもので、若い時に胞子体を包み込んでいた包膜は縦に2裂しています。

◎ ジンガサゴケの若い雌器托の断面をこちらに、雄器托の様子をこちらに載せています。 また、雌器托の柄の断面や胞子の様子などはこちらに載せています。