2024-06-02

ハットリチョウチンゴケ


 ハットリチョウチンゴケ Rhizomnium hattorii の雌株と雄株の群落が、岩上に少し離れてありました。 葉は広倒卵形で、中肋が赤くなっています。

 茎は赤く、舷が赤くなっている葉もあります(上の写真)。 葉は茎の上部に集まる傾向があります。

 茎の長さは約2cm、葉の長さは約5mmです。

 中肋は葉先に届いていません。 葉先は平坦~微凸頭です。

 葉先の舷は紡錘形の細胞からなっています。

 上は葉縁の舷です。

 葉身細胞は六角形で、壁は一様に厚くなっています。

 上は茎の横断面で、明瞭な中心束があります。

 上は雄器盤の断面です。 この一部をさらに薄く切り、90°回転させて顕微鏡で撮影したのが下です。

 側糸と、棍棒のような空になった造精器があります。 側糸の先が串団子のようになっていますが、もしかすると、小動物の体に精子をつけて運んでもらうため、小動物を呼ぶ餌となる団子かもしれません。

 上は蒴歯を蒴の内側から見ていて、色の薄いのが外蒴歯、濃い方が内蒴歯です。 内蒴歯の基礎膜は高く、間毛もあり、歯突起は外蒴歯とほぼ同じ高さです。

 上は蒴の外側から蒴口付近を撮っています。 口環が分化しています。

(2024.5.22. 京都府南丹市 美山)

こちらには本種の葉の横断面などを載せています。

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