チヂレタチゴケ Atrichum crispulum が蒴をつけていました(2025.9.30. 福岡県・古処山)。
上の背景は1㎜方眼です。 本種は雌雄異株で、写真のものは雌株です。 胞子体をつけていない雌株の配偶体の茎は、上の写真では約5㎝ですが、8㎝に達するようです。 なお、雄株の茎は長くても4cmほどです。
胞子体の成長のために栄養分を提供するためだと思うのですが、胞子体をつけている配偶体は成長が悪いようです。
乾くと葉は強く縮れます(上の写真)。 これが和名の由来でしょう。
葉は舌状で、最も幅広いのは中央部です(上の2枚の写真)。 葉の長さは、上の2枚目の写真では約7.5㎜ですが、鞘状となっている基部が少し失われており、長い葉は1㎝ほどになります。 中上部の葉縁には歯があります。
背面の中肋上部には歯があります(上の写真)。
葉縁には1~2列の舷があり、大きな棘状の双歯が並んでいます(上の写真)。
葉の上半部は不規則に波状となっていて、背面の波状部には上の写真のように歯がありますが、ナミガタタチゴケやヒメタチゴケのような強い波状ではなく、歯も多くありません。
上は腹面から中肋を撮っています。 中肋上には4~6列のラメラ(薄板)があります。 ラメラは葉身細胞より小さい細胞で構成されています。
上は葉の断面です。
上は葉の中肋付近の断面です。 ラメラは2~3細胞の高さしかなく、中肋脇の葉身細胞より明らかに小さい細胞で構成されています。
上は歯のある葉縁の断面です。
上は葉身細胞で、右下に少し中肋が写っています。 葉身細胞は横に長く、長さ 15~30μmでした。
上は蒴です。 蓋には長さ2㎜ほどの長い角があり、帽は5~6㎜の長さがあります。
◎ チヂレタチゴケはこちらにも載せています。














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