写真はサビイロハタケゴケ Riccia nigrella でしょう。 本種は外来種と考えられます。 国内では1997年に皇居内で初めて採集され(河濟・古木2005)、関東地方では、近年になって爆発的に増えており(古木2020)、環境省の「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」に載せられています。 上も2026年1月に東京都文京区本郷で撮った写真です。
色は季節によって変わるようですが、観察した時点では、若い部分は光沢のある鮮緑色で、古くなると和名のように鉄さび色に変色していました。 溝は線状で、胞子体のある所の表面が白っぽい褐色に変色して円形の銭斑になっています。 また、あちこちに見られる赤紫色の点は、造精器から精子が出て来る所でしょう。
上は腹面から撮っています。 最小目盛は 0.1㎜です。
腹鱗片は縁からはみ出さず、瓦状に重なっています。 腹鱗片は縁が淡い色で、中央部は黒紫色をしています。 学名の種小名 nigrella(黒色) は、この腹鱗片の色に由来しているようです。
下は上と同じものの乾いた状態を背面から撮っています。
乾燥すると、葉状体の縁が背面側に捲れて上のような姿になります。
上は葉状体の断面です。 葉状体内部に気室は無く、上半部は櫛の歯状に細胞が並んでいます。 葉状体表層の1層は矩形の透明な細胞からなっています。
上の写真では葉状体内部に造精器が写っています。
上は葉状体断面の上部です。 本種と同様に葉状体中央に線状の溝があるミドリハタケゴケやウロコハタケゴケは、表皮細胞の上部が消失し杯状になるという特徴がありますが、本種の表皮細胞はきれいに宿存しています。
造精器の場所を狙って葉状体の断面を作成してみました(上の写真)。 造精器は仕切られた部屋の中にあり、精子の出る通路周辺は赤紫色に色付いています。
上は胞子です。 遠心面はほぼ均一の大きさの(8~)10~12(~14)個の網目があります。







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