2020-09-09

タカネヤバネゴケ



 一昨日載せたタカネカマウロコゴケの群落に混じっていたコケです。 この群落も小さくしか採集していませんので、その中に数本混じっていただけです。
 写真では昨日載せたヤバネゴケに似ているようにも見えますが、顕微鏡で見ると本種は明るい緑色をしていて、印象はかなり異なります。 葉はV字形に切れ込み、葉裂片は狭三角形で先は鋭尖です。
 本種もオタルヤバネゴケに似ていますので、Cephalozia(ヤバネゴケ属)だろうと見当をつけて平凡社の検索表をたどると、
 葉は15細胞以上 → 葉は横~斜めにつく → 葉の幅は茎径とほぼ同じ
と進んで、タカネヤバネゴケ Cephalozia leucantha に落ちました。 北海道~四国の針葉樹林帯以上に分布するようです。


 葉身細胞はやや厚壁で、トリゴンは無く、油体もありません(上の写真)。

(2020.9.1. 北海道 千歳市 標高 700m)