大阪市立自然史博物館で、2022年1月14日~4月3日の予定で、特別展「植物 -地球を支える仲間たち-」が開催されています。 植物を総合的に紹介する大規模な展覧会で、次の5つのコーナーからなっています。
1.植物という生き方
2.地球にはどんな植物が存在しているか?
3.植物の形と成長
4.植物はどのように進化してきたか?
5.本当は怖い植物たち
6.生命の源、光合成
いずれも見どころ満載の展示ですが、その中からクックソニアについて少し書いておきます。
上がクックソニア・バランディ Cooksonia barrandei です。 目に見える大きさの化石としては、いまのところ最古の植物化石で、しかも世界初公開です!
下はその復元模型です。
ところで、最初の陸上植物はどのようなものであったのか。 初期の陸上植物の化石としてみつかるのは、クックソニアのような二又分岐をする胞子嚢をつけた植物です。 体制の簡単なものから複雑なものへと進化すると考えるとコケ植物でしょうが、コケの胞子体は分枝しません。
最初の陸上植物はコケ植物だったが、体が柔らかくて化石になりにくかったのでしょうか、それともコケ植物は単純な形になるように進化したのでしょうか。
◎ こちらに、蘚類の胞子体は枝分かれできないのではなく、枝分かれしないように抑制されているらしいことを書きました。 またこちらやこちらでは、小さく単純な体のメリットについて考察しています。
いずれにしても、最初の陸上植物について検討されているのは胞子体についてです。 しかし進化は有性生殖があってこそ成り立つものです。 最初の陸上植物がどのように有性生殖をしていたのかも重要なポイントだと思います。 配偶体はどのようなサイズだったのでしょうね。 造卵器も造精器も顕微鏡レベルの大きさですし軟らかですから、どこかで初期の陸上植物の有性生殖に関係する化石がみつかることを期待するのは難しいことでしょうが・・・。
主な進化の道筋は、突然変異の後の遺伝的浮動と自然選択によるとされています。 2n世代の方が変異した遺伝子を保存し易く(=遺伝的浮動が容易で)、進化の速度が速くなることは分かります。 しかし蘚苔類が現在まで栄えている姿を見ると、コケ植物のような生活をするには配偶体を発達させた方が有利だった理由がどこかにあるのではないか、そんな気もします。
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