昨年自宅に竹筒を置いたところ、ツツハナバチ Osmia taurus(ハキリバチ科)が巣を作りました。 昨年は無事育ってくれるようにそっとしておき、今年の羽化を待ちました。
4月5日に、殆どの竹筒で、口を塞いでいた土が壊れているのに気がつきました。 羽化が既に始まっていたようで、土を押しのけて飛び去ってしまったものも多いようですが、上の写真のように、まだ出てくるものもいました。 この時期に羽化してくるのはオスです。
※ 2017年4月のオスの羽化の様子をこちらに載せました。
4月7日に見ていると、ツツハナバチが次々と竹筒に飛来し、竹筒を順番にチェックし、飛び去っていきます。 オスがメスの羽化を確認に飛来しているのでしょう。 そのうちの1頭を捕らえ、一晩冷蔵庫で過ごしてもらって動きを抑え、撮影したのが以下の写真です。
体は黒色で、体毛の大部分は赤褐色です。
前翅の縁紋は幅よりもはるかに長くなっています。
オスは花粉を運ぶ必要は無く、メスの所に書く腹部腹板の刷毛はありません。 腹部末端は尾節板を欠いています。 体長は体を少し丸めていますのではっきりしませんが、10~11mmほどです。
ほぼ元気になったので、元に戻してやりました。 しばらくすると、元気に飛び去りました。
4月20日、ツツハナバチは竹筒に頻繁に出入りしていましたが、竹筒の周囲をウロウロするオスらしい姿はもう見当たりません。 メスが巣作りに忙しいようです。 飛来して迷いなくスッと竹筒に入り、竹筒から出る時もスッと出て飛び去ります。 竹筒内に運び入れようとしているものを確認しようと思いましたが、出入りの瞬間はとても撮れそうにありません。
以下は竹筒に入ったのを確認し、その出口に袋をかぶせ、出てきたメスを冷蔵庫で冷やして撮ったものです。
体は花粉まみれです。 体についた花粉は幼虫の食料として竹筒の中で落としてくるのだと思っていたのですが・・・。 これでも幾分かは落としてきたのでしょうか。 入る竹筒を間違えて慌てて出て来たとは思えないのですが・・・。
翅脈はオスと変わらないようです。 オスより短い触角です。
腹部の腹面は花粉がビッシリです。 よく分かるようにと黒い背景にしてみましたが、あまり効果は無かったようです。
ミツバチなどは花粉をくっつけるための刷毛と呼ばれる毛を後脚脛節に持つことはよく知られていますが、ハキリバチ科の刷毛は腹部腹板上にあります。
ツツハナバチによく似たハチにマメコバチがいて、体毛の色が少し違う他に、メスの頭盾の突起が異なるのですが、これにも花粉がたくさんついていて、よく分かりません。 やはり花粉を落としてから撮るべきだったかな。
4月22日、巣が完成したのか、竹筒の入口を土で塞いでいるハチがいるのに気付きました。 慌ててカメラを取りに行ったのですが、間に合わず。 下は昨年の4月22日に撮ったもので、土を頭で突き固めているところです。
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