2020-08-20
ヒロオビジョウカイモドキ
写真はヒロオビジョウカイモドキ Intybia historio のオスです。 近くで羽化したばかりだったのでしょうか、オスもメスもたくさんいました。
ヒロオビジョウカイモドキは、体長が3mm前後の小さな虫ですが、赤みがかった広い帯が目立ち、存在していればすぐに分かります。 しかしこの虫のおもしろさは、拡大して見てはじめてわかるオスの触角の様子でしょう。
触角の基部近くの2節が、膨らんでいるだけではなく、窪みや突起もあります。
上はメスです。 メスの触角は、基部近くの節に少し膨らみが見られるものの、オスの触角ほどには異形ではありません。
オスとメスで形態的に異なるケースの多くは、交尾か産卵に関するものでしょう。 オスの触角はどのような機能を担っているのでしょうか。
おちゃたてむしさんのところでは、雌雄が触角をこすり合わせる求愛行動らしきものが載せられています(こちら)。 この時、オスの触角は折りたたまれ、窪みがメスの方に向き、何か物質のやり取りをしているようにも見えます。
ところで、上の写真のメスは、葉をかじっているようにも見えます。 ジョウカイモドキ科の昆虫は、ジョウカイボン科に似ているところからの名前でしょうが、分類学的には離れています。 似ている点といえばどちらも肉食で、花や葉の近くをうろうろしながら獲物を待ち構えるといった生態的な類似点でしょう。 しかしジョウカイモドキ科の昆虫は、幼虫はたしかに肉食なのですが、成虫では植物を食べるケースもあるようです。
上の写真のメスは、葉の表面で小さな虫を食べていたのでしょうか、それとも葉をかじろうとしていたのでしょうか。
(2013.8.14. 堺市南区槙塚台)
※ 上は Part1の 2013.8.14.からの引っ越し記事です(内容を一部追加しています)。