2015-01-10
スマトラカモドキバチ
写真のハチは、堺自然ふれあいの森で昨年の11月18日に撮ったものです。 翅脈を見るとコマユバチ科らしいのですが、特徴があるハチなのに検索してみてもよく分からず放置していましたが、ある集まりで「 Information station of Parasitoid wasps 」のサイト管理者の一人でコマユバチを研究している藤江隼平さんにお会いし、教えていただきました。
藤江さんによると、このハチはコマユバチ科カモドキバチ亜科のスマトラカモドキバチ Macrostomion sumatranum (Enderlein, 1920) のオスで、スズメガ科の幼虫をホストとする、飼い殺し型内部多寄生性(注)のハチだということです。
このハチの和名の「スマトラ」は種小名から来ているのですが、Macrostomion属が東洋区熱帯から東アジア暖温帯にかけて広く分布することと関係ありそうですね。
上の写真で、口から腹側に伸びているものがありますが、藤江さんによると、これは小腮肢( labial parpi )で、この属や近縁の Colastomion属のオスはこのように2節目と4節目が拡大するということです。 なお、メスの口元は通常で、BABAさんのところに載せられているものがたぶんそうだと思います。
(注) カモドキバチ亜科のハチはチョウ目の幼虫の体内に寄生するコイノバイオント(koinobiont:寄生していてもホストの成長を許す)で、マミー化した寄主幼虫の体内で蛹化します。 多くは単寄生ですが、スマトラカモドキバチは各寄主から数十~百数十の成虫が羽化脱出するようです。(前藤薫らによる第49回日本応用動物昆虫学会大会講演要旨より私が理解した内容を書きました。)
※ 藤江さんに見ていただき、こちらも訂正しました。
2015-01-09
ヒメコバチ科の一種 Deutereulophus sp. のメス
2015-01-08
ハチジョウヒメヨコバイ
上はカクレミノの葉の裏にいたハチジョウヒメヨコバイ、下はヤツデの葉の裏にいたもの、つまり別個体です。 この撮影場所では複数個体を見ましたが、私には初めての出会いでした。 飛翔力の弱い小昆虫は、たとえ普通種と呼ばれる種であっても、年や場所によって個体数の増減幅の大きい種も多いようです。
ハチジョウヒメヨコバイも色彩変異が大きいようで、黒色部のもっと濃いものから、ほとんど黒色部の見られないものもいるようです。 後者の場合は、特徴の無いヒメヨコバイとして見逃している場合があるのかもしれません。
2015-01-07
マメホコリの子実体と胞子散布
2014.11.4.から 2015.1.5.まで、2ヶ月にわたってマメホコリ Lycogala epidendrum の子実体を継続観察しました。 以下はその記録です。
● 2014.11.4.
「堺自然ふれあいの森」の苔むした朽木の上に、下の写真のようなマメホコリの未熟な子実体を見つけました。
マメホコリは変形菌の一種です。 動物的性質を持つアメーバ状の栄養体が微生物などを摂食し、成長すると這うのを止めて胞子を形成しはじめます。 上の写真は、朽木の樹皮の下で育った栄養体が胞子形成のための子実体に姿を変えたばかりのところで、薄い皮層を破ると、下の写真のようにドロドロと中身が流れ出します。
マメホコリの子実体は温暖な地方では1年を通して普通に見られますが、できたばかりの子実体を見つけたのを機会に、どれくらいの期間で胞子ができるのか継続観察することにしました。
● 2014.11.6.
子実体は上の写真のような色に変化していました。
切ってみると、上の写真のように、中身はペースト状になっていました。
子実体の形成はある程度の時間的な幅があるらしく、上の写真のように、新しい子実体も形成されていました。
● 2014.11.11.
色が少しずつ濃くなってきた以外は、外見はほとんど変化が見られなくなりました。 断面を作ってみても、上の写真のように、ペーストの水分が少し減った印象を受ける程度です。
この後も観察は続けましたが、ほとんど変化が見られませんでしたので、12月19日までは省略します。
● 2014.12.19.
パンパンに膨れていたように見えていた子実体が変化しはじめていました。 上の写真の中央やや左上の子実体の頂には穴が開いていますし、右下の子実体からは、頂から胞子らしいものが出ています。
朽木の側方についていた子実体の1つを破いてみました(上の写真)。 中には胞子が詰まっていて、下にこぼれ落ちましたが、空中に舞い散るようなことはありませんでした。
子実体が作られてから胞子が完成するまで40日あまり、もちろん温度などの環境条件にもよるでしょうし、1つの観察結果から結論は出せないでしょうが、こんなに時間がかかるとは思いませんでした。
これで継続観察を終わろうと、まとめるにあたって参考になる記事は無いかとPCで検索していると、あるところで、熟した子実体を押すと胞子が空中に飛散するような記載がありました。 私の観察では、上にも書きましたが、胞子は互いにくっつきあう傾向があり、小さな塊としてこぼれ落ちるのであって、ホコリタケのように空中に飛散するような軽いものではありません。 しかし、もっと日数が経過して乾燥すれば空中に飛散するとも考えられるので、もう少し観察を継続することにしました。
● 2015.1.5.
前回の観察から2週間あまり経った子実体の様子を見てきました。 胞子が出はじめるのは子実体によってかなり時間差があるようで、もう胞子を出し尽くしてぺしゃんこになっているものもありましたが、これから出そうというものもありました。
● 2014.11.4.
「堺自然ふれあいの森」の苔むした朽木の上に、下の写真のようなマメホコリの未熟な子実体を見つけました。
マメホコリは変形菌の一種です。 動物的性質を持つアメーバ状の栄養体が微生物などを摂食し、成長すると這うのを止めて胞子を形成しはじめます。 上の写真は、朽木の樹皮の下で育った栄養体が胞子形成のための子実体に姿を変えたばかりのところで、薄い皮層を破ると、下の写真のようにドロドロと中身が流れ出します。
マメホコリの子実体は温暖な地方では1年を通して普通に見られますが、できたばかりの子実体を見つけたのを機会に、どれくらいの期間で胞子ができるのか継続観察することにしました。
● 2014.11.6.
子実体は上の写真のような色に変化していました。
切ってみると、上の写真のように、中身はペースト状になっていました。
子実体の形成はある程度の時間的な幅があるらしく、上の写真のように、新しい子実体も形成されていました。
● 2014.11.11.
色が少しずつ濃くなってきた以外は、外見はほとんど変化が見られなくなりました。 断面を作ってみても、上の写真のように、ペーストの水分が少し減った印象を受ける程度です。
この後も観察は続けましたが、ほとんど変化が見られませんでしたので、12月19日までは省略します。
● 2014.12.19.
パンパンに膨れていたように見えていた子実体が変化しはじめていました。 上の写真の中央やや左上の子実体の頂には穴が開いていますし、右下の子実体からは、頂から胞子らしいものが出ています。
朽木の側方についていた子実体の1つを破いてみました(上の写真)。 中には胞子が詰まっていて、下にこぼれ落ちましたが、空中に舞い散るようなことはありませんでした。
子実体が作られてから胞子が完成するまで40日あまり、もちろん温度などの環境条件にもよるでしょうし、1つの観察結果から結論は出せないでしょうが、こんなに時間がかかるとは思いませんでした。
これで継続観察を終わろうと、まとめるにあたって参考になる記事は無いかとPCで検索していると、あるところで、熟した子実体を押すと胞子が空中に飛散するような記載がありました。 私の観察では、上にも書きましたが、胞子は互いにくっつきあう傾向があり、小さな塊としてこぼれ落ちるのであって、ホコリタケのように空中に飛散するような軽いものではありません。 しかし、もっと日数が経過して乾燥すれば空中に飛散するとも考えられるので、もう少し観察を継続することにしました。
● 2015.1.5.
前回の観察から2週間あまり経った子実体の様子を見てきました。 胞子が出はじめるのは子実体によってかなり時間差があるようで、もう胞子を出し尽くしてぺしゃんこになっているものもありましたが、これから出そうというものもありました。
胞子が出はじめている上の写真の状態のものを指で押してみましたが、なかなか胞子は出て来ず、胞子が空中に飛散するようなことはありませんでした。 やはり少しずつこぼれ落ちるようです。
なお、上の写真の上方や下の左側には何者かに穴を開けられた胞子体が見えています。 胞子を摂食する何者かがいて、その体に付着して胞子が散布されることもあるのかもしれません。
◎ こちらでは成熟したマメホコリを顕微鏡を使って観察しています。
2015-01-06
ホコリタケの仲間
ホコリタケ(1種類ではありません)というキノコがあります。 上の写真のホコリタケは柄があり、柄の上に膨れたところがありますが、ホコリタケの種類によっては、柄の部分の無いものもあります。 この膨れた部分を“腹”と呼ぶことにします。(かなりのメタボ体形です。)
一般的によく知られているキノコは傘の裏に胞子を作りますが、ホコリタケなどは上記の“腹”の内側に胞子を作るので、これらのキノコの仲間(菌類)は腹菌類と呼ばれています。
上は若いホコリタケの断面を見たところで、“腹”の内部は白くふわふわしています。 この白くふわふわした部分が胞子になります。
胞子を作り終えると、“腹”の頂に穴が開き(上の写真)・・・
この腹を押すと、上の写真のように、穴から埃(ホコリ)のような胞子が空中に飛び出て飛散します。 自然界では雨粒などが“腹”を叩くことで胞子が飛散するのでしょう。
※ 今回の写真は10月下旬から11月下旬にかけて撮ったものですが、撮影場所も異なりますし、はじめに書いたようにホコリタケは1種ではありませんから、別種が混じっている可能性があります。 また、撮影終了からかなりの日数が経過していますが、明日のマメホコリの記事と比較するために、この時期に載せることにしました。
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