2016-03-05

チャボヒラゴケ



 上は2月26日に「堺自然ふれあいの森」のヤマハゼの幹についていたチャボヒラゴケ Neckera humilis を撮ったものです。 蒴は蓋が取れています。
 似た状態のチャボヒラゴケはこちらにも載せています。


 上は同じ「堺自然ふれあいの森」で昨年の12月22日に撮ったチャボヒラゴケで、蒴は蓋も帽もついています。
 上の写真でも葉面がくぼんでいるのが分かりますが、これをプレパラートにすると下のようになってしまいました。


 葉は卵形~長楕円状卵形です。 上の写真ではピントは合っていませんが、細い中肋が葉の中部に達しています。


 葉の先端は広く尖っています。 葉身細胞は長楕円形~菱形です。 上の写真と下の写真では色が異なっていますが、これは顕微鏡の光源の色が異なるためです。


 葉縁には細かい歯があります。


2016-03-04

ヒメコバチ科 Apleurotropis sp.


 ヤツデの葉の裏にいた写真の蜂は、ヒメコバチ科の Apleurotropis属の一種だと思います。 体長は 2.4mmでした。 腹部に近い背面に凹みがあり、ダメージを負っているようですが、元気に逃げ回ってくれました。




(2016.2.18. 堺市南区 槙塚公園)


2016-03-03

ネジクチゴケ


 ネジクチゴケ Barbula unguiculata がたくさん胞子体をつけていました。 上は石垣の隙間に生えていた乾いた状態のネジクチゴケを、手持ちでTG-4のフォーカスBKTモードで撮影を行い、深度合成したものです(詳しくはこちら)。 そのため、背後の石の表面にまでピントが合っています。


 上は湿らせた状態の、1枚目と同じ場所のネジクチゴケです(撮っている向きは異なります)。 1枚目と比較することで、乾いた状態と湿った状態、深度合成した写真と通常撮影の写真の、2つの比較ができます。


 帽のついている蒴から蓋の取れた蒴まで、上の写真のように様々な状態の蒴が見られましたが、残念ながらきれいにねじれている蒴歯は今回はほとんど見当たりません。 比較的きれいにねじれている蒴歯は前に載せていますので(こちら)、今回は視点を変えて葉や蒴歯を顕微鏡で観察してみました。


 葉は微凸頭です。 葉縁は全縁で、葉の基部近くでは狭く反曲しています。


 上は葉の一部で、葉身細胞の1つずつが区別できるはずのところまで倍率を上げているのですが、細胞の輪郭がはっきりしません。 これは多くのパピラがあるからで、このことも特徴の1つです。


 上は葉の先端付近の拡大です。 葉身細胞には複数のC字型のパピラが見られます。 また中肋の背面にもパピラがあります。


 さらに倍率を高くし、C字型のパピラにピントを合わせたのが上の写真です。 なお、中肋背面にも特徴のあるパピラが見られますが、そのことはこちらに載せています。


 上はねじれている蒴歯です。 丸いのは胞子です。 この蒴歯をさらに拡大すると・・・


 蒴歯には刺状の細かなパピラが密生しています。

(2016.2.26. 堺自然ふれあいの森)

2016-03-02

ミカンワタカイガラムシの幼虫


 上の写真はヤツデの葉の裏ですが、左下に2頭いるのはヤツデキジラミの幼虫で、その少し上の白っぽいものはヤツデキジラミの脱皮殻ですが、その他の、白っぽい楕円形で、中央に濃色の線の入っているのがミカンワタカイガラムシ Chloropulvinaria aurantii です。 左下の白い不定形の汚れているように見えている所は、ヤツデキジラミが吸汁しながら排泄した液体で周囲が濡れているのですが、その一部がフラッシュの光で反射したために白く光って見えている部分です。


 上の左端はヤツデキジラミの成虫です。 大きさの比較のために撮りました。 ミカンワタカイガラムシの体長は、小さいものも混じっていますが、大きいもので2mmほどです。
 ミカンワタカイガラムシの成虫は、オスは有翅ですが、メスは卵のうを形成するまでは写真のような姿のままです。 しかしメスの成虫の体長は3.5~5mmですから、写真のものは幼虫でしょう。 ちなみに、メス成虫が卵のうを形成すると白い綿に包まれたようになり、和名の「ワタカイガラムシ」はここから来ているようです。
 下は上の写真のほぼ中央にいる2頭を拡大したものです。


 上の写真の右の個体のよく目立つ黒い粒はゴミですが、赤黒い小さな点は眼です。 上の写真は2頭が頭を突きあわせた状態になっています。


 体の薄さを記録しようと横から撮ろうとしたのですが、カメラの厚さがあって上の写真が限度でした・・・。 右が頭です。

 ミカンワタカイガラムシは柑橘類の葉にもつき、果樹の害虫として注目されて和名にも「ミカン」とついていますが、ヤツデ以外にも、トベラ、クロガネモチ、キヅタなど、いろいろな植物の葉につきます。 また植物の汁を吸って生きる虫の常として、多すぎる糖を排出しますので、それを栄養とするすす病菌が繁殖し、すす病を発生させることがよくあります。

(2016.2.17. 堺市南区岩室)

◎ 1月中旬に撮った、ユズの葉裏についていたミカンワタカイガラムシをこちらに載せています。


2016-03-01

ヒロハツヤゴケ


 上は朝の光を浴びて光っているコナラの幹のヒロハツヤゴケです。 逆光で狙ってみました。

 ヒロハツヤゴケ Entodon challengeri は前にも載せているので(こちら)、今回は蒴を中心に調べてみました。


 蒴柄は長さ7~15mmと言われていて、写真の場合も9mmほどの長さです。


 上は、以後の蒴歯の観察が容易なように、蒴を割ってみたところです。 中央にあるのは軸柱で、たくさんある細かい粒々は胞子です。
 下は上の赤い四角で囲った部分です。


 蒴歯は外蒴歯と内蒴歯各16本からなりますが、ツヤゴケ科の特徴として、内蒴歯は発達していません。 上の写真のヒョロヒョロとした棒状のものが内蒴歯でしょうが、外蒴歯と重なったものは、とても見難くなっています。


 外蒴歯には、上の写真のように、縦に裂け目が見られます。


 蒴歯の表面は細かいパピラで覆われています。

(2016.2.26. 堺自然ふれあいの森)