2016-03-02

ミカンワタカイガラムシの幼虫


 上の写真はヤツデの葉の裏ですが、左下に2頭いるのはヤツデキジラミの幼虫で、その少し上の白っぽいものはヤツデキジラミの脱皮殻ですが、その他の、白っぽい楕円形で、中央に濃色の線の入っているのがミカンワタカイガラムシ Chloropulvinaria aurantii です。 左下の白い不定形の汚れているように見えている所は、ヤツデキジラミが吸汁しながら排泄した液体で周囲が濡れているのですが、その一部がフラッシュの光で反射したために白く光って見えている部分です。


 上の左端はヤツデキジラミの成虫です。 大きさの比較のために撮りました。 ミカンワタカイガラムシの体長は、小さいものも混じっていますが、大きいもので2mmほどです。
 ミカンワタカイガラムシの成虫は、オスは有翅ですが、メスは卵のうを形成するまでは写真のような姿のままです。 しかしメスの成虫の体長は3.5~5mmですから、写真のものは幼虫でしょう。 ちなみに、メス成虫が卵のうを形成すると白い綿に包まれたようになり、和名の「ワタカイガラムシ」はここから来ているようです。
 下は上の写真のほぼ中央にいる2頭を拡大したものです。


 上の写真の右の個体のよく目立つ黒い粒はゴミですが、赤黒い小さな点は眼です。 上の写真は2頭が頭を突きあわせた状態になっています。


 体の薄さを記録しようと横から撮ろうとしたのですが、カメラの厚さがあって上の写真が限度でした・・・。 右が頭です。

 ミカンワタカイガラムシは柑橘類の葉にもつき、果樹の害虫として注目されて和名にも「ミカン」とついていますが、ヤツデ以外にも、トベラ、クロガネモチ、キヅタなど、いろいろな植物の葉につきます。 また植物の汁を吸って生きる虫の常として、多すぎる糖を排出しますので、それを栄養とするすす病菌が繁殖し、すす病を発生させることがよくあります。

(2016.2.17. 堺市南区岩室)

◎ 1月中旬に撮った、ユズの葉裏についていたミカンワタカイガラムシをこちらに載せています。


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