私たち(生物学的意味の)消費者は食べないと生きていくことはできません。 生産者である植物が海から陸上に上がってきてくれたからこそ、人類も誕生できたと言えるでしょう。 その上陸した光合成できる植物にいちばん近いのがコケ植物だと言われています。 そこからいろいろな植物が進化し、それらを食べるいろいろな動物が生まれ、現在の生態系が生まれました。 まさにコケ植物は「大地の母」と言えるのではないでしょうか。
現在地球上で見られるコケ植物は、蘚類と苔類、それにごくわずかの種数のツノゴケ類に分かれますが、よく目立つのは蘚類で、コケテラリウムなどに使われているのも多くは蘚類です。 苔類も身近な所にもたくさんの種類が生活しているのですが、小さなものが多く、比較的大きなゼニゴケの仲間以外はあまり知られていません。 しかし苔類は蘚類よりも上陸した最初の植物に近いとされていて、植物の進化を知る上でも大切なコケですし、その形質の多様性は蘚類以上かもしれません。
近年はコケ展もあちこちで開催されるようになってきましたが、展示されるコケは蘚類中心です。 そのような状況にあって、苔類だけに限ったコケ展で苔類のおもしろさを知ってもらおうと、「苔類だけのコケ展」が計画されました。
このコケ展は、(公財)京都市都市緑化協会主催の「春の和の花展」の一環として、2025年5月9日(金)~5月11日(日)の3日間、梅小路公園の「緑の館」で開催されます。 開催場所の梅小路公園は、JR京都駅から約1km西に位置し、市バスもありますが、山陰本線「梅小路京都西」駅で下車するとすぐ前です。
生きた苔類を100点以上展示し、それらを顕微鏡でも観察できる機会は貴重です。 拡大写真などでの解説も充実していますし、展示のガイドツアーも行います。 コケテラリウムのような作る楽しみや観賞には向いていませんが、知れば知るほどおもしろい苔類の沼にはまってみませんか?
なお、「緑の館」に隣接する「朱雀の庭・いのちの森」では蘚苔類の観察会も行います。 こちらもコケ植物について知る良い機会になると思いますので、ぜひお立ち寄りください。