2015-08-01

タチバヨウジョウゴケ・トサノケクサリゴケ


上の写真、コウヤコケシノブの葉上に生えているのはタチバヨウジョウゴケ( Cololejeunea subkodamae )でしょう。
 ちなみに属名の Cololejeunea は colo(短縮)+ Lejeunea で、Lejeunea はヤマトコミミゴケなどの属するクサリゴケ属のことです。


 顕微鏡で見ると、背片にも腹片にもパピラ(乳頭)が見られます。 腹葉は見当たりません。


 上の写真で、画面の中央に写っているのが腹片です。 腹片には2本の長い歯があり、第1歯と第2歯は交差しています。

※ 「神奈川県で見られるクサリゴケ図説 2」には、タチバヨウジョウゴケの詳細な図が載せられています。




 上は崖に生えていた小さなコケで、これを拡大すると、下の写真のように、パピラらしきものが見えます。


 これを顕微鏡で観察すると・・・


 葉の形は少し異なりますが、やはりパピラだらけで、タチバヨウジョウゴケとよく似ています。 しかし、腹片を観察すると・・・


 腹片の長い歯は、タチバヨウジョウゴケと異なり、1本だけです。 これはタチバヨウジョウゴケと同じ属のトサノケクサリゴケ( Cololejeunea kodamae )でしょう。

(2種とも 2015.7.15. 高槻市摂津峡)