以下は Part1の2013.11.27.に載せていた記事を、一部書き換えて引っ越しさせたものです。
うどんこ病というのは、葉の表面がうどん粉をまぶしたように白くなる病気です。 上はアラカシのうどんこ病です(2008.11.22.撮影)。 うどんこ病にかかると、表面を覆われるので光合成能力は低下するようですが、うどんこ病菌が葉を枯らすことは無く、このような菌は絶対寄生菌と呼ばれています。
みかけは、いろんな植物の葉の表面が白くなるという共通点を持つうどんこ病ですが、この原因となっているうどんこ病菌は1種類ではありません。 うどんこ病菌は子嚢菌類に分類されていますが、植物の種類ごとに異なる種類のうどんこ病菌が存在すると言ってもいいくらい、多種のうどんこ病菌があります。 エノキでは、葉の表側の表面と葉の裏側の表面につくうどんこ病菌が異なります。
上の写真はエノキの葉の裏で、たくさんの白く細い糸状のものと、黄、赤、黒などの色の粒が見えます(2013.11.20.撮影)。 1つの粒の直径は、0.2mm~0.3mmほどです。 白く細い糸状のものはうどんこ病菌の菌糸で、粒はうどんこ病菌の子嚢殻(しのうかく)、もっと細かく言うと閉子嚢殻です。
エノキ裏うどんこ病菌の子嚢殻は黄色から赤っぽくなり、最後は黒くなります。 完成した黒い子嚢殻の頭部には、環状の白い糸状のものがあり、付属糸と呼ばれています。
完成した子嚢殻は、このまま飛散します。 子嚢殻の中には子嚢があり、子嚢では子嚢胞子が作られます。
冬を越した子嚢殻から春に放出された子嚢胞子は新しいエノキの葉に感染し、菌糸を伸ばしながら、分生子を飛ばして増えていきます。 子嚢殻をつくるのは秋だけです。
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