ヨモギはとても身近な野草です。 身近に見られるだけでなく、草餅にしたり、新芽をおひたしや汁物の具や天ぷらにもしますし、ヨモギ風呂、せんじ薬など民間薬としても使われてきました。 灸に使う艾(もぐさ)も、葉の裏側の綿毛から作られます。
このような身近な野草であるにも関わらず、夏から秋にかけて咲く花は、キク科には珍しく風媒花で小さく目立たないためか、ヨモギの利用はほとんど葉であるためか、あまり注目されません。 しかし拡大して見ると、なかなか美しくおもしろい花です。 頭花は複総状花序を作っています(上の写真)。
上は2026年9月27日に泉北ニュータウン(栂・美木多地区)で撮ったヨモギの花序の一部です。 下は上の赤い四角で囲った頭花の拡大です。
頭花(頭状花序)は複数の花(小花)の集まりです。 1つの頭花を構成している花は、タンポポ類などのように舌状花だけのもの、アザミ類などのように筒状花のみのもの、ヨメナやノコンギクなどのように舌状花と筒状花からなるものがあります。 ヨモギの頭花は、両性花と雌花の2種類の筒状花からなっています。
上の写真で赤褐色のものは両性花の花弁です。 ①や②が両性花なのですが、両性花のオシベは筒状に配列していて花粉を出します。 その後、オシベが作る筒の中をメシベが上昇してきてオシベが作った花粉を押し上げて表に出します。 ①は押し上げられた花粉がほとんど飛散してしまった状態でしょう。 その後、上昇してきたメシベが表に現れ、柱頭が左右に開きます。 これが②の状態です。
③は雌花のメシベです。 雌花にオシベはありません。
頭花から雌花と両性花を1つずつ取り出してみました。 上の写真の左が雌花、右が両性花です。 どちらも大きな子房があり、雌花も両性花も種子を作ることが可能なようにみえます。
上は2~3枚目の写真より少し若い花序です。 aの両性花はまだツボミですし、bの両性花にはメシベに持ち上げられた花粉がたくさん溜まっています。 雌花の長いメシベはまだあまり目立っていません。
上は花後の姿です。 総苞に守られて種子は熟し、熟した種子は冠毛で風に乗って散布されていきます。






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