2014-11-03

シラカシムネアブラムシ(有翅型)


 アラカシに絡んだ白い糸くずのようなものが目にとまりました。 よく見ると、これまでいろんな所で見た、虫たちの作るワックスの糸のようです。
 周囲の葉を見ていくと・・・


 汚れた古いアラカシの葉の裏で、上の写真のような状態がみつかりました。 上の写真は、あまりにも白い糸が多かったので、息を吹きかけ、少し飛ばしています。
 上の写真の左には、黒いアブラムシのようなものがいますし、あちこちに白い楕円形の跡が見えます。 どうやら黒いのはムネアブラムシの有翅型で、楕円形の跡はその無翅型のくっついていた跡のようです。


 上の写真は、無翅型のついていた跡(右)と有翅型(左)を拡大したものです。 有翅型の形態を基に帰宅してから調べてみると、いたのはアラカシの葉でしたが、シラカシムネアブラムシのようです。
 ムネアブラムシは、アブラムシの一種ですが、有翅型は翅を寝かせてたたみます。 また無翅型は、体は扁平で、頭部と胸部がほぼ一体化し、腹部背面全体が角質化しています。
 上の写真でワックス(白いロウ物質)の糸を出しているのは、植物から吸った液の多すぎる糖分をワックスに変えて捨てているためだと考えられます( 詳しくはトゲキジラミのところなどをご覧ください )。 ムネアブラムシ無翅型のワックスを出していない時の姿は、こちらに載せています。 また、このシラカシムネアブラムシ無翅型のワックスを少し出している姿は、BABAさんのところに載せられています。


 最初、長いワックスの糸は無翅型が出しているものだと思い、こんなに長いものを作るのかと驚いていました。 しかし、上の写真を見ると、ワックスの糸は片側に流れています。 無翅型はそんなに動きまわらないはずですから、糸が片側に流れるのは不自然です。 それに、上に書いた息を吹きかけた時、ワックスの糸をつけたものは、少しの息で簡単に葉から離れました(2枚目の写真)。 無翅型なら、しっかり葉につかまっているはずですから、このことも不自然です。
 そんなことを思いながら写真を撮っていると、下のようなものを見つけました。


 長い糸状のワックスをつけていたのは有翅型の幼体で、上は脱皮?して有翅型が羽化?する瞬間のように思います。 そうであれば、黒い有翅型が白いワックスの粉まみれであるのも納得できます。
 下に比較的よく分かる有翅型を2枚載せておきます。 翅が透明すぎて翅の縁がよく分かりませんが・・・。



(2014.10.26. 富田林市 錦織公園)

0 件のコメント: