2019-01-02

コスギゴケ

 コスギゴケ Pogonatum inflexum は前にも載せていますが(こちら)、よく知られているコケすぎて、その後は写真を撮っていてもブログに載せようとしていなかったことに気付きました。 そこで今回は、昨年いろんな時期(+1枚のみ2015年)に撮ったコスギゴケをまとめて載せることにします。


 上は10月下旬に撮った雌株で、帽のついた蒴がたくさんついています。 下は12月中旬の蒴を大きく撮ったものですが、蒴の外見はそんなに変化していません。


 蒴の表面はたくさんの毛で覆われています。 この毛が帽だと思っている人もいるようですが・・・


 蒴の表面の毛を掻き分けて壺から外し、その内側を見ると、帽が見えます。 つまり蒴を覆っているのは、小さな帽に生えるたくさんの長い毛です。


 上は3月上旬の様子で、蓋も取れて胞子を散布しはじめています。 蒴口の大部分は口膜で覆われていて、胞子は蒴口の周囲にある短い蒴歯の隙間から散布されます。
こちらでは蒴を顕微鏡レベルで観察しています。)

 この胞子体のスタートつまり受精の時期つまり雄株の識別できる時期ですが・・・


 上は8月下旬の雄株です。 精子の放出(その様子はこちら)は春に終わっているようで、雄苞葉が作っていたカップの中央から茎が伸びだしています。


 最後に葉の断面も載せておきます(上の写真)。 下は薄板の様子が分かる部分の拡大です。


 上は葉の端に近い所の断面ですので薄板の高さは低めですが、コスギゴケの薄板の高さは4~6細胞です。 端細胞は菱形または上面が平らになっています。



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