散策路横の岩についていた写真のコケ、よ~く見れば若い蒴の基部に小さなこぶ状の突起があるのですが、それに気づかず、平凡社のシッポゴケ科の検索表をたどってチヂミバコブゴケ Oncophorus crispifolius と分かりました。
上の2枚は少し乾きかけですが、乾くと葉は強く巻縮しました。 蒴柄の乾湿による変化はほとんどありませんでした。
葉の長さは3~4mmです。
葉は鞘部から線状に伸びています(上の写真)。 翼部の細胞はほとんど分化していません。 中肋の太さは、鞘部の最も幅の広い所の1/5ほどです。
葉身細胞は丸みのある方形で、長さは5~10μmです。 葉縁に舷はありません。
上部の縁には目立たない歯が並びます。
上は葉の横断面です。 葉身部の多くは2細胞層ですが、一部1細胞層の所もあります。 最初から5枚目の写真でも、帯状に明るくみえている所が1細胞層でしょう。
中肋の横断面で、ガイドセルがあり、ステライドは明瞭です。 葉身細胞は平滑で、パピラやマミラは見られません。
(2021.12.23. 奈良県十津川村)
◎ 今回よりもう少し生長した蒴を持った2月のチヂミバコブゴケをこちらに、蓋も取れて蒴歯がよく分かる6月の様子をこちらに載せています。
0 件のコメント:
コメントを投稿