上は昨年の12月23日に奈良県の十津川村の標高 1,000m付近で撮った写真です。 葉を顕鏡するとアオギヌゴケ属らしいことは分かったのですが・・・
蒴柄を見るとパピラが、下部に向かうにつれて次第に弱くはなるものの、蒴柄全体にあるように見えます(上の写真)。 平凡社の図鑑で、アオギヌゴケ属で蒴柄全体にパピラのある種を調べたのですが、その他の特徴が一致する種がみつかりません。 未同定として置いておいたのですが、蒴も特徴がよく分かる時期でもあるし、分からないままにしておくのもしゃくなので、オカモスの世話人代表をしていただいている西村先生に標本を送って調べていただきました。(この時期に記事にするのはそのためです。)
結果はハネヒツジゴケ Brachythecium plumosum だろうということでした。 平凡社の図鑑では、本種の蒴柄のパピラは上半部にあることになっていますが、先生によれば、本種の蒴柄のざらつきはやや変化に富むようで、弱いものの、下部まであるように見えるものもある、ということでした。 なお、アオギヌゴケ属で「下部までパピラがでる」という仲間は、見間違うことのないはっきりとしたパピラが下部まであるということです。
以下、検鏡した際の写真を載せておきます。
茎葉 |
枝葉 |
葉身細胞 |
◎ 本種は何度もこのブログに載せていますが、こちらの最後に一覧にしてあります。
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